hujiru12’s blog

観劇感想ブログです。

YAJIKITA2〜地獄道中閻魔戯之巻〜(2023.1.22昼)

【配役】

弥次さん→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

喜多さん→名古屋参九郎さん(サンキューさん)

閻魔王名古屋山三郎さん(サンザさん)

奪衣婆、人頭幢、人呑鬼→名古屋参永已さん(サンエーさん)

牛頭、腹の虫→名古屋虎三郎さん(トラザさん)

馬頭、腹の虫→名古屋山之助さん(サンスケさん)

懸衣翁、卯頭、腹の虫→名古屋参太郎さん(タロウさん)

 

ゴヤ座の腐れ縁、ビジネス不仲コンビことダエキューの弥次喜多! 再々演でのサンキュー喜多さん初日に、この組み合わせを持って来るとは、さすが、皆の夢を叶えてくれる場所、ナゴヤ座です!

ダエさんとサンキューさんの呼吸の合わせ方の上手さは、さすがでした。オープニングのガンダーラで、高音パートを歌ってハモるサンキューさん、歌が上手い! ダエさんのメインパートも流石の上手さで、このリサイタルを聴けただけで3500円(ナゴヤ座のチケット代)の価値ありです。良いものを聴かせていただきました。

サンキュー喜多さんは、他の喜多さんとは違う白地に紺の模様の着物を着ていて、おちょんぼ丁髷を結う黄色のゴムとの色合わせが天才でした!

色合わせといえば、弥次さんと喜多さんが折り模様の違う同じ山吹色の帯を締めていらっしゃるの、微笑ましくてニコニコしちゃいました。

 

そして、この日は、久しぶりのトラザさん牛頭とサンスケさん馬頭のコンビ! この二人が獄卒だと、サンザさん閻魔の鬼上司っぷりが本領発揮していて、うわー、懐かしい地獄の空気だーと嬉しくなりました。かくれんぼ牛頭馬頭のカートゥーン芸も、懐かしかったぁ!

ずっと主役の喜多さん連投だったサンスケさんの、サブキャラを演じる時の伸び伸び楽しんでいらっしゃるお芝居を観れて、こちらも全力で楽しくなっちゃいました。サンスケさんの、主役を務める時の基盤を作る頼もしさにいつも魅せられていますが、脇役での華の添え方もステキなんです。

とはいえ、この日の牛頭馬頭は、登場シーンからすごいことになっていて、そんな理屈とかすっ飛ばして、腹筋が痛くなるぐらい笑いまくってしまったんですが😂 「牛頭たま」と、五年ぐらいの時を経ての天丼となった履き忘れ、あまりにも強かったです…!

この日の地獄のリサイタルは、サンザさん閻魔のメインボーカルに、トラザさん牛頭とサンスケさん馬頭のコーラスで、完成度が高過ぎでした。これを聴けただけで3500円案件再びです! 獄卒ズのツインギター、カッコ可愛かったなぁ。

 

この回の足ツボ地獄のコーナーは、閻魔王の椅子を(勝手に)使っての椅子取りゲームでした。卯頭の悪意篭りまくりの閻魔王モノマネ、酷過ぎて笑いました。卯頭くん、鬱憤が溜まりまくってるんですね…

それにしても、YAJIKITAが始まって以来、タロウさんの表情筋の柔らかさに、毎回驚かされています。顔型変わるぐらい口を歪めたお顔、元のフレッシュなイケメンっぷりを知っているだけに、腹筋の破壊力がすごい…っ

絶妙な面白さの卯頭のリングアナ?コールで始まったゲーム、倒れた椅子に無理矢理座った(?)牛頭の筋膜剥がしからの、弥次さんのセルフイメージとだいぶん乖離のあるカッコイイポーズに、笑いました。笑い死に地獄です🤣

 

サンエーさんの奪衣婆も、再々演では初登場でした。舌をベロベロしながら乳を振り回して追いかけて来る姿、何かの怪談になりそうです。お顔が美人なだけに、怖い。怖くて面白い。サンエーさんの吹っ切れたお芝居、ほんと、すごく凄いです。

久しぶりのサンエーさんの人頭幢は、イケメン過ぎました! ウィンクひとつで地獄亡者達のハートを全部撃ち抜いていました💘

閻魔王に叱られた時のキョドキョドした目の動サンエーさんの真骨頂だなぁと感動しました。一瞬での温度差の付け方、上手過ぎるんですよね。

そして、サンエーさんの人呑鬼! シュッとした体型が映えるビジュアル、強かったです…ドレッドヘアも似合っちゃうんですね。トラザさん人呑鬼とはまた違う獣っぽい人外味を感じる立ち回り、カッコ良かったです!

 

腹の虫の立ち回りは、ついつい推し腹の虫を目で追ってしまいがちなんですが、一匹後から出て来るタロウさん腹の虫の、滑り出し方、すごくカッコイイです。このバッチバチの中に加わって、目を引く魅せ方をできるのって、すごいことですよね……毎回書いてる気がしますが、研修生……???

 

弥次さんを殺されてしまったと思ってからの、喜多さんの自分の中にあるエネルギーを命ごと全部燃やして人呑鬼に掴み掛かって行く姿に、毎回、目頭がじゅん…としちゃうんですが、サンキュー喜多さんは、一際涙腺に来ますね…

サンキューさんの、等身大の人間というか、観客に自分と同じ世界を生きる存在として共感させるお芝居、実は、とてもすごいものなんですよね。自然体のまま引き込んで、同じ感情を味わせる…すごい役者さんだなぁ。

ダエさんの、元は大店の若旦那という経歴がしっかり見える台本に忠実な役作りもあいまって、本当に東海道中膝栗毛に出て来る話を読んでいるような気分になりました。この二人が、名コンビとして扱われる所以が、目に見える形ではっきり見えた気がします。

 

ラストシーンのサンザさんの地蔵菩薩は、本当に美しいですね。本物の後光が見えます✨

話を聞いていない弥次喜多に、「お伊勢さんではないんだな…」とちゃんとツッコミ入れるところ、とてもツボです。サンザさんのこういう可愛さ、ずるいなぁって思います。

 

小橋チョップが愛情表現?のヤジキタコンビの地獄道中に、いっぱい笑って感動して、浮世の憂さが綺麗さっぱり吹き飛びました!

今日も、本当に良いお芝居を観た! という充実感を毎公演味わわせてくれるナゴヤ座はすごい!