YAJIKITA2〜地獄道中閻魔之戯〜【再演】(2023.1.11夜)
【配役】
弥次さん→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)
喜多さん→名古屋山之助さん(サンスケさん)
OP、ED
借金取り→名古屋山三郎さん(サンザさん)、名古屋虎三郎さん(トラザさん)、名古屋参永已さん(サンエーさん)、名古屋参十郎さん(ジューローさん)、名古屋参笑太さん(ショータさん)
地獄道中
閻魔王→サンザさん
奪衣婆、人頭幢、人呑鬼→トラザさん
懸衣翁、卯頭→サンエーさん
牛頭→ジューローさん
馬頭→ショータさん
東海道中膝栗毛の世界観で作られたYAJIKITA1から一歩…いや、十歩ぐらい進んで、弥次さん喜多さんが、東海道じゃなくて地獄街道を歩…爆走しちゃうYAJIKITA2、ナゴヤ座らしいはちゃめちゃさで大好きです!
今回で再々演となりますが、ストーリーの筋は大きくは変わっていませんでした。
が、ナゴヤ座の凄いところは、主役も含めて配役チェンジしちゃうところ。
サンザさんの弥次さん、サンスケさんの喜多さんが、初演時のベーシック配役なのですが、再演時に様々なヤジキタコンビが生まれ、その度に全く別の作品を観るようなワクワクを感じました。
今回の再々演では、どんなヤジキタが観れるのか、ウキウキ心が踊ります。
再々演初の弥次さん喜多さんは、YAJIKITA1に続き、ダエさんとサンスケさんのコンビでした。
1の旅の後か、はたまたその道中か(川越人足銭渡しで溺れたあたりが怪しいです)、弥次さん喜多さんの道中記の続き、という感じが一目で分かって、スッと物語の中に入って行ける良い配役でした!
OPのガンダーラが懐かしくて、弥次さんが歌い出した瞬間、テンションのギアがガッと入りました!
リズム感が死んでる民なので、ゆっくりな曲に手拍子合わせるのめちゃくちゃ難易度高いのですが、歌に合わせて手拍子するのは、とても楽しいです!(私の手拍子がズレていたら、誰か肘鉄入れて教えてください…)
ヤジキタダンス、1と2で、ちょっと違うんですね!
2のダンスの振り付け、顔の前で腕をクロスするところが変身ポーズっぽくて好きです。これから借金取り達が地獄の住民に変身するぞって予告みたいで。
1のOPと同じテンションの高さで始まった後、チーン!というおりんの音一つでいきなり地獄道中が始まっちゃうところが、何度観てもツボです。
シュールさにクスリと笑っちゃうんですが、一幕の終わりの閻魔様の「理由の分からないまま理不尽にころっと死んでしまうものなんだ」という台詞を知ってから観ると、人生というのはこういう理不尽さで形作られているのかなぁなんて、ちょっと深いことを考えちゃいます。
今回の再々演で一番変わったポイントは、新キャラの懸衣翁と卯頭が登場したことです。
ダーリンこと懸衣翁の登場で、奪衣婆の乙女度が増して可愛くなってました!
この回では、閻魔王に「地獄のアイドル」と言われていましたが、その言葉にも納得のキュートなラムちゃんでした♡
(感想に、推しに対する贔屓目が多分に含まれていることは否定しません)
妖怪みのあるおじいさんビジュアルな懸衣翁とそこまでメイクは変わっていないのに、可愛い兎さんに見える卯頭、すごいなぁとサンエーさんのキャラ作りに感動します。
表情の作り方や声の出し方、体の動かし方でこんなに変化を付けられるんですね。すごいなぁ。
卯頭のくるくるアフロに卒塔婆が二本刺さったようなビジュアル、じわかわです。
今回、衣装のカッコ良さがぐぐんっ!と進化しました。
牛頭馬頭の角と胸の牛馬モチーフマークが、めちゃくちゃカッコイイです。卯頭の兎モチーフマークも並ぶと、更にテンション上がります。
ナゴヤ座の衣装の金属っぽいパーツの造形、最高だなっていつも思います。牛若のアカアオ、烏天狗の額当てや面当ても、めちゃくちゃカッコ良くて、大好きです!
閻魔王の衣装も、めっちゃカッコ良くなっていました! だけど、胸の日月マークは変わらないのが嬉しい。
サンザさんの閻魔メイクのカッコ良さが、繊細な方向に進化していて、お顔が綺麗…と見惚れました。めちゃくちゃ綺麗なグラデーションで印影が付けられていて、感嘆が漏れました。
そして、ラストの仏としての姿の神々しい美しさ……お顔が綺麗…(二回目)
眦に紅をさすの、天才過ぎますね!
トラザさんの人頭幢メイクにも感動したんですが、ナゴヤ座の座員さん達のメイク技術の進化、すご過ぎませんか!?
素材のままで最強に整っていらっしゃるのに、その美しさを更に引き立てるメイクをされてしまったら、勝てないです。体が勝手に拝んでしまう。強い……
可愛いおばあちゃんから、バッチバチに決まったメタルロックメイクにあの短時間でチェンジしちゃうトラザさん、やばすごです…🙏
ビジュアル最強なトラザにんちゃんが不貞腐れた顔するのがめっっっっっっっかわで、閻魔様の「せーの!」の前にフライングで「かわいいー!」って叫んで申し訳ありませんでした。
前回の再演でのサンザさん閻魔が仕切る地獄は、恐怖政治というか、ピリッとした緊張感があった気がするんですが、今回の再々演では、閻魔様の方がわりと振り回されてる…?って感じで、地獄の鬼達の世代の変化を感じました!
閻魔の居ない時だけ本領と本性を発揮する卯頭ちゃんに触発されてか、牛頭馬頭もわりとやりたい放題で、この回では、音響獄卒までが閻魔王で遊んでいて、めちゃくちゃ笑いました。
これは、閻魔を演じる役者さん、大変だぁ。ものすごく体力消耗しそう…!
ジューローさん牛頭とショータさん馬頭の元気いっぱいコンビ、可愛かったなぁ。
卯頭に言われたとおり、足ツボ地獄の上ででんぐり返しする馬頭、きっと、めちゃくちゃ人…じゃなくて鬼が良い! 角をちゃんと守りながら回るショータさんの真面目さが、愛しかったです。ニコニコ
そして……一番の感動ポイントが、最後に待っていました。
初演では、長い手を振り回すラピュタのロボットみたいなビジュアルだった人呑鬼、再演で人に近い形になってバッチバチの立ち回りをするようになったので、今回の再々演で、カッコイイ衣装になってると良いなぁなんて淡い期待をしていました。
そうしたら! 想像を遥かに上回るビジュアル最強な人呑鬼が登場しまして……っ、その最強ビジュ(面の影から覗く鋭い眼が天才です。ありがとうございます!)で、トラザさんの悪役のバッチバチの立ち回り(容赦の無い蹴りが、命を狩り取る剣筋が、大好きです。ありがとうございます!)が観れてしまいまして……っ、感動で泣きました。
まさか、YAJIKITAで泣かされるとは思いませんでした…っ
いや、でも、良く考えたら、弥次さんが死んでしまったと思ってから、恐怖心とか全部プッツンして人呑鬼に掴み掛かって行く喜多さんの姿に、結構、毎回、涙腺やばくなってましたね。思い出しました。
最終的に、推し様のカッコ良さに焼かれて、記憶が消し炭になってしまったので、もっとちゃんとした感想は、この先の自分に期待したいと思います。