hujiru12’s blog

観劇感想ブログです。

YAJIKITA1〜浮世道中夢ん中之巻〜(2023.1.18)

配役

弥次さん→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

喜多さん→名古屋虎三郎さん(トラザさん)

 

ゴヤ座のニューパンフレットに載っている、なんだかとても強そうなムキムキムチムチヤジキタコンビを、まさかこんなに早く観れるとは思いませんでした!

トラザ喜多さんを、YAJIKITA1の方で観れるなんて…っ! 感動に咽び泣きそうです😭(初演時、再演時に、YAJIKITA2ではトラザさんが喜多さんを演じたことがありましたが、1では初めてです)

トラザ喜多さんと言えば、真っ赤なほっぺと太眉、オヒネリの飾り付きのおちょんぼが特徴ですが、そのトレードマークはそのまま、頬はピンクのふんわりチークで仕上げられ、太眉もナチュラルストレート眉になって、黒い睫毛で縁取られた丸いおめめも相まって、清純派アイドルみたいな美少女になっていました!(私の目は正常です)お歌歌うシーンで持っていたマイクにもオヒネリが付いていたんですが、黄色いオヒネリは、トラザ喜多さんにとって、ファンシーチャームなんでしょうか? めっかわ!!!

白いお着物に合わせたアイボリー地のパステルカラー首巻き(裏地が朱色なのが天才)を着けているお姿は、めっかわの神様でした…しかも、着けてる理由が、「胸元が見えちゃうとセクシーになり過ぎちゃうから」なんですよ。清純派アイドル!

このままだと、トラザ喜多さんの可愛さについて延々語ってしまいそうなので、先に進みます。

 

【暗闘の宿】

配役

護摩の灰(兄ぃ)→名古屋参十郎さん(ジューローさん)

護摩の灰(かっちゃん)→名古屋参太郎さん(タロウさん)

護摩の灰(南)→名古屋参九郎さん(サンキューさん)

宿屋の主人→名古屋参永已さん(サンエーさん)

 

ほっかむり姿のトラザ喜多さんが出て来た瞬間、可愛さに声が出そうになりました。オオムコウじゃなくて心の声を飛ばしてしまうところでした。危ない。

暗闇の中から弥次さんに声を掛けられてビビりまくっていた喜多さん。オバケ苦手なんだねー。かわいいなー。

護摩の灰の弟分は、サンキューさんのイメージが強かったので、再々演でも観れて、コレコレコレコレ!って感じがして嬉しかったです。

タロウさん、南役もかっちゃん役も両方演ってるのすごいですね。立ち位置とかキャラとか混乱しちゃいそうなのに、どっちも自然にバチッとハマってる…本当に凄い…研修生という言葉の意味が、多分、私の知ってるやつと違う…

 

【腹痛の宿】

配役

宿屋の主人→ジューローさん

医者→サンキューさん

産婆(おシカ)→サンエーさん

坊主(運珍)→ゲスト藤田誠樹さん

 

医者、坊主、産婆の三姉弟のキャラもメイクも特濃なこの話を観ると、トラザさんが仰っていた、「以前、2で演じた時のままの喜多さんメイクじゃ合わないなって思った」という言葉がすごくしっくり来ました。

ツッコミに回る側の喜多さんは、2の破壊神喜多さんよりもだいぶん精神年齢上に見えたんですが、時系列的には、この時の方が昔になるんですよね。多分、喜多さんは本来、自分一人でも世間一般レベルの人付き合いはできるけど、「お前は俺がいなきゃダメだな」という弥次さんに甘えて頼り続けた結果、あの野放しにしたら危険な喜多さんが出来上がったんですね。

 

医者は、サンキューさんのイメージが強い役だったので、コレコレコレコレ二回目です! 聴診器でUFO呼ぶの最高でした。腹筋痛い😂

サンエーおシカさんが、お経のリズムに合わせて「ありゃありゃだーしまっただー」って歌う?ところ、大好き過ぎて延々脳内リピートしちゃうんですが、あの独特の間とリズムはサンエーさんにしか出せないものだと思います!

藤田さんの坊主、爽やかなイケメンにこの役演らせてしまって良いの!?と動揺しましたが、ぽわっとした空気のお坊さんの可愛さに、安心?しました。

 

【川越人足銭渡し】

配役

人足(豪傑親分)→藤田誠樹さん

人足(豪傑子分)→サンエーさん

人足(雷蔵親分)→タロウさん

人足(雷蔵子分)→ジューローさん

 

川の水を掬って弥次さんに掛ける喜多さんがめっかわでした☺️

 

藤田さん豪傑の登場シーン、ロボットダンスからの、サンエーさん子分と合わせてのキメ、最高にカッコ良かったです! ナゴヤ座でこんなダンスが観れなんて! なんだかとても得した気分です。藤田さん、ありがとうございます!

そういえば、今回は、親分達、風来ボウイの衣装は身に付けていなかったんですが、それでもちゃんと雷蔵親分のキャラになってるタロウさん、すごいなー。

サンエーさんとジューローさんの子分ズの頭グリグリし合ってのバチバチ、胸熱でした!

 

【夢の宿】

鎌倉源五郎→ジューローさん

腹出し→ダエさん、藤田誠樹さん、タロウさん、サンキューさん

 

この日の腹出し達の台詞は、あまり遊びが無い感じでした。ムズムズ、ドキドキ、ビーンビーンの擬音で遊ぶのも大好きですが、ピリッとした空気感で通すのも、また違った味わいで良かったです。

ゲストの藤田さんの所作や台詞の言い回し、さすが御園座の舞台等にも立たれているだけあるなぁと思いました。お若いのに、伝統芸の方面でも魅せられるのすごいです!

 

ジューローさん、歌舞伎衣装、似合いますね!「しーばーらーくー」のつらねの声の通りが心地良かったです。

付き人役のトラザ喜多さん、柄杓を持って立ってるだけで、かわいい…お水飲んじゃった…かわいい…

からの、長いつらねの啖呵! 本当に夢のようにカッコ良かったです! めちゃくちゃ可愛いのに、魅せるところはバシッと魅せる。トラザさんの魅力を満喫しました。満腹大満足です🙏✨

 

そして、正体を明かした弥次さんの立ち回り。ダエさんのカッコ良さが炸裂するシーン、大好きです。

藤田さんのお臍が地面に結び付いている重心の低さがありつつ、重力を反転させるような跳躍をする立ち回りを見ていると、座長のサンザさんの立ち回りを思い出します。藤田さんの腹出しの立ち回りが見れてすごく嬉しかったですが、もっとバチバチの立ち回りも見たいので、YAJIKITA2にも出ていただきたいー! そして、叶うならば、座長と戦うところを観てみたいです!

 

YAJIKITA2〜地獄道中閻魔戯之巻〜【再演】(2023.1.15昼)

【配役】

弥次さん→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

喜多さん→名古屋山之助さん(サンスケさん)

 

OP、ED

借金取り→名古屋参九郎さん(サンキューさん)、名古屋虎三郎さん(トラザさん)、名古屋参永已さん(サンエーさん)、名古屋参十郎さん(ジューローさん)、名古屋参太郎さん(タロウさん)

 

地獄道

閻魔王→ジューローさん

奪衣婆、人頭幢、人呑鬼→サンキューさん

懸衣翁、卯頭、腹の虫→サンエーさん

牛頭、腹の虫→トラザさん

馬頭、腹の虫→タロウさん

 

1もハードだけど、2のハードさは、まさに地獄レベルなYAJIKITA、ずっと喜多さんを演っているサンスケさん、すご過ぎるな…と震えました。

登場した瞬間、元気いっぱいの犬っころみたいなサンスケ喜多さんなので、つい忘れてしまいそうになりますが、YAJIKITA2のヤジキタコンビは、最初から最後まで全力疾走(ラストにトドメのように蜘蛛の糸昇りシーンがあるの、ある意味、閻魔王より地蔵菩薩の方が鬼だなって思います)な上に、足ツボでリアルに地獄を見るという、とんでもないハードなお芝居をやっているんですよね…

年末年始のお休みもほとんど無かったに違いない稽古&公演の疲労が溜まった肉体には、足ツボの刺激はヤバい拷問なはず…

それでも、一切手を抜かずに、(なぜか)毎公演、足ツボの上でジャンピング見得切りするサンスケさん、凄過ぎて、もはや尊いです。いっぱいオヒネリ投げて欲しいって仰っていたので、全力で投げさせていただきます…!

 

この日の地獄の獄卒当番は、トラザさん牛頭、タロウさん馬頭、そして、なんだかもう既にテッパンになって来ているサンエーさん卯頭でした。サンエーさんの役を自分のものにしちゃうスピード、驚異的なんですよね…

懸衣翁の登場した瞬間に笑いの大波を起こす瞬発力もすごい。サイン列で、スライディング登場のやり方を教えていただいたんですが、滑るように地下足袋を脱いで足袋だけにして、までは解りましたが、足裏の筋肉を使ってぐっとストップを掛けるというのは、サンエーさんだから出来る特殊技術な気がします…!

 

初演時再演時のトラザさん牛頭の名乗りシーン、ジャンピングキックしたりするアクロバット感が大好きだったので、今回はどんな感じかな?とほのかに期待していたら、タロウさん馬頭の上にヒョイっと乗って、組体操だー!と沸いちゃいました! なんであんなにヒョイっと肩に乗れちゃうんでしょうか? カッコ良すぎて拝みます🙏 土台になるタロウさんの頼もしさもカッコ良かったー。

トラザさん牛頭とタロウさん馬頭の組み合わせ、先輩後輩感があって好きです。

人の良さが滲み出ているジューローさん閻魔王、完全に振り回されていて、ベリーお疲れさまでした。地獄のピラミッドの頂点にいらっしゃるはずなのに、誰よりも汗だくで孤軍奮闘させられている閻魔様。お気の毒なんですが、すみません、めちゃくちゃ笑いました!

とりあえず謝って一回殴られておけば何しても良いと思っている牛頭馬頭と、閻魔王が居ない時だけ伸び伸び好き放題する卯頭…この面子を雇うのは大変だぁ😂

 

審問コーナーでは、弥次さんというか、名古屋参駄右衛門さんに対する他座員さん(主に名古屋参十郎)のクレームが並べ立てられたんですが、その中の一つ(足を踏む)を、通りすがり様、客席からは見えない角度で牛頭に仕掛ける弥次さん、いえ、ダエさん、最高でした。閻魔王に「我慢せい」と言われて不服そうなトラザさん牛頭、めっかわでした。にこにこ

 

閻魔王の最大の見せ場は、二幕始まりの地獄の歌謡ショーですが、ギターストラップに繋いだ金棒を掻き鳴らしてバチバチにカッコイイライブパフォーマンスするトラザさん牛頭の歌が上手すぎて完全に食われてしまっていた気がします。ライブ慣れした獄卒がいると、頼もしいけど大変なんですね…

金棒をドラムスティックにしたタロウさん馬頭も可愛かったです。

 

トラザさん牛頭が、足ツボ地獄で、地下足袋、もとい、硬い足裏じゃなくて、皮膚の薄い膝を付いて痛がっちゃったことから、親の弱点=膝になったのが、その後のヤジさんキタさんとの追いかけっこ立ち回りでも活かされていて、ナゴヤ座のこのライブ感溢れるアドリブが好きなんだよなぁと血が沸きました。脳味噌フル回転で演じているお芝居の面白さを体感できるのって、すごい快感です!

 

弥次里vs閻魔山が相撲を取るシーン、ダエさん弥次さんの取り組み前の所作が上手過ぎて、毎回笑ってしまいます。締めていないはずの回しが見える…!

三途の川シーンで見れるダエさん弥次さんのモンゴリアンチョップも好きです。

 

そして、クライマックスの閻魔の腹の中のシーン。

腹の虫のビジュアルがとても好きなんですが、今回の再々演では、鉤爪だけじゃなくて、それぞれ別の武器も持っていて、立ち回りの見応えが増しています(再演時の、両手の爪を擦り合わせて研ぐ腹の虫の動きも、ゾクゾクするぐらいカッコ良かったので、それもまた観たい!という贅沢な欲を持ってしまっています…!)

今回加わったSEIMEIの式神ちゃんを思い出すフラッグパフォーマンスも、とても良い演出だなぁと思います。この日は、トラザさん腹の虫のフラッグ捌きのキレッキレの美しさに息を飲みました。めちゃくちゃ、カッコ良かった…っ!

 

この日の人呑鬼はサンキューさんでした。

奪衣婆、人頭幢でサンキューさんらしい表情の豊かさで笑いを巻き起こしていた分、人呑鬼になった時の無機質な表情がゾクッとする怖さで、ON/OFFのお芝居の切り替えの上手さにドキドキします。

 

この日の地獄も楽しかったぁ。開始直後から新役バンバン出すフルスロットルなナゴヤ座は、最強に最高なエンタメを生み出す場所です!

YAJIKITA2〜地獄道中閻魔之戯〜【再演】(2023.1.11夜)

【配役】

弥次さん→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

喜多さん→名古屋山之助さん(サンスケさん)

 

OP、ED

借金取り→名古屋山三郎さん(サンザさん)、名古屋虎三郎さん(トラザさん)、名古屋参永已さん(サンエーさん)、名古屋参十郎さん(ジューローさん)、名古屋参笑太さん(ショータさん)

 

地獄道

閻魔王→サンザさん

奪衣婆、人頭幢、人呑鬼→トラザさん

懸衣翁、卯頭→サンエーさん

牛頭→ジューローさん

馬頭→ショータさん

 

 

東海道中膝栗毛の世界観で作られたYAJIKITA1から一歩…いや、十歩ぐらい進んで、弥次さん喜多さんが、東海道じゃなくて地獄街道を歩…爆走しちゃうYAJIKITA2、ナゴヤ座らしいはちゃめちゃさで大好きです!

今回で再々演となりますが、ストーリーの筋は大きくは変わっていませんでした。

が、ナゴヤ座の凄いところは、主役も含めて配役チェンジしちゃうところ。

サンザさんの弥次さん、サンスケさんの喜多さんが、初演時のベーシック配役なのですが、再演時に様々なヤジキタコンビが生まれ、その度に全く別の作品を観るようなワクワクを感じました。

今回の再々演では、どんなヤジキタが観れるのか、ウキウキ心が踊ります。

 

再々演初の弥次さん喜多さんは、YAJIKITA1に続き、ダエさんとサンスケさんのコンビでした。

1の旅の後か、はたまたその道中か(川越人足銭渡しで溺れたあたりが怪しいです)、弥次さん喜多さんの道中記の続き、という感じが一目で分かって、スッと物語の中に入って行ける良い配役でした!

 

OPのガンダーラが懐かしくて、弥次さんが歌い出した瞬間、テンションのギアがガッと入りました!

リズム感が死んでる民なので、ゆっくりな曲に手拍子合わせるのめちゃくちゃ難易度高いのですが、歌に合わせて手拍子するのは、とても楽しいです!(私の手拍子がズレていたら、誰か肘鉄入れて教えてください…)

ヤジキタダンス、1と2で、ちょっと違うんですね!

2のダンスの振り付け、顔の前で腕をクロスするところが変身ポーズっぽくて好きです。これから借金取り達が地獄の住民に変身するぞって予告みたいで。

 

1のOPと同じテンションの高さで始まった後、チーン!というおりんの音一つでいきなり地獄道中が始まっちゃうところが、何度観てもツボです。

シュールさにクスリと笑っちゃうんですが、一幕の終わりの閻魔様の「理由の分からないまま理不尽にころっと死んでしまうものなんだ」という台詞を知ってから観ると、人生というのはこういう理不尽さで形作られているのかなぁなんて、ちょっと深いことを考えちゃいます。

 

今回の再々演で一番変わったポイントは、新キャラの懸衣翁と卯頭が登場したことです。

ダーリンこと懸衣翁の登場で、奪衣婆の乙女度が増して可愛くなってました!

この回では、閻魔王に「地獄のアイドル」と言われていましたが、その言葉にも納得のキュートなラムちゃんでした♡

(感想に、推しに対する贔屓目が多分に含まれていることは否定しません)

妖怪みのあるおじいさんビジュアルな懸衣翁とそこまでメイクは変わっていないのに、可愛い兎さんに見える卯頭、すごいなぁとサンエーさんのキャラ作りに感動します。

表情の作り方や声の出し方、体の動かし方でこんなに変化を付けられるんですね。すごいなぁ。

卯頭のくるくるアフロに卒塔婆が二本刺さったようなビジュアル、じわかわです。

 

今回、衣装のカッコ良さがぐぐんっ!と進化しました。

牛頭馬頭の角と胸の牛馬モチーフマークが、めちゃくちゃカッコイイです。卯頭の兎モチーフマークも並ぶと、更にテンション上がります。

ゴヤ座の衣装の金属っぽいパーツの造形、最高だなっていつも思います。牛若のアカアオ、烏天狗の額当てや面当ても、めちゃくちゃカッコ良くて、大好きです!

 

閻魔王の衣装も、めっちゃカッコ良くなっていました! だけど、胸の日月マークは変わらないのが嬉しい。

サンザさんの閻魔メイクのカッコ良さが、繊細な方向に進化していて、お顔が綺麗…と見惚れました。めちゃくちゃ綺麗なグラデーションで印影が付けられていて、感嘆が漏れました。

そして、ラストの仏としての姿の神々しい美しさ……お顔が綺麗…(二回目)

眦に紅をさすの、天才過ぎますね!

 

トラザさんの人頭幢メイクにも感動したんですが、ナゴヤ座の座員さん達のメイク技術の進化、すご過ぎませんか!?

素材のままで最強に整っていらっしゃるのに、その美しさを更に引き立てるメイクをされてしまったら、勝てないです。体が勝手に拝んでしまう。強い……

可愛いおばあちゃんから、バッチバチに決まったメタルロックメイクにあの短時間でチェンジしちゃうトラザさん、やばすごです…🙏

ビジュアル最強なトラザにんちゃんが不貞腐れた顔するのがめっっっっっっっかわで、閻魔様の「せーの!」の前にフライングで「かわいいー!」って叫んで申し訳ありませんでした。

 

前回の再演でのサンザさん閻魔が仕切る地獄は、恐怖政治というか、ピリッとした緊張感があった気がするんですが、今回の再々演では、閻魔様の方がわりと振り回されてる…?って感じで、地獄の鬼達の世代の変化を感じました!

閻魔の居ない時だけ本領と本性を発揮する卯頭ちゃんに触発されてか、牛頭馬頭もわりとやりたい放題で、この回では、音響獄卒までが閻魔王で遊んでいて、めちゃくちゃ笑いました。

これは、閻魔を演じる役者さん、大変だぁ。ものすごく体力消耗しそう…!

ジューローさん牛頭とショータさん馬頭の元気いっぱいコンビ、可愛かったなぁ。

卯頭に言われたとおり、足ツボ地獄の上ででんぐり返しする馬頭、きっと、めちゃくちゃ人…じゃなくて鬼が良い!  角をちゃんと守りながら回るショータさんの真面目さが、愛しかったです。ニコニコ

 

そして……一番の感動ポイントが、最後に待っていました。

初演では、長い手を振り回すラピュタのロボットみたいなビジュアルだった人呑鬼、再演で人に近い形になってバッチバチの立ち回りをするようになったので、今回の再々演で、カッコイイ衣装になってると良いなぁなんて淡い期待をしていました。

そうしたら! 想像を遥かに上回るビジュアル最強な人呑鬼が登場しまして……っ、その最強ビジュ(面の影から覗く鋭い眼が天才です。ありがとうございます!)で、トラザさんの悪役のバッチバチの立ち回り(容赦の無い蹴りが、命を狩り取る剣筋が、大好きです。ありがとうございます!)が観れてしまいまして……っ、感動で泣きました。

まさか、YAJIKITAで泣かされるとは思いませんでした…っ

いや、でも、良く考えたら、弥次さんが死んでしまったと思ってから、恐怖心とか全部プッツンして人呑鬼に掴み掛かって行く喜多さんの姿に、結構、毎回、涙腺やばくなってましたね。思い出しました。

 

最終的に、推し様のカッコ良さに焼かれて、記憶が消し炭になってしまったので、もっとちゃんとした感想は、この先の自分に期待したいと思います。

YAJIKITA1〜浮世道中夢ん中之巻〜【再演】(2023.1.7昼、1.8昼)

ゴヤ座の滑稽歌舞伎YAJIKITA1、これが再々演になりますが、さすがナゴヤ座、ただの再演ではなく、思いっきりパワーアップして戻って来ました!

出演人数も増えて、笑いも立ち回りも特盛の演目になっていました。

特に二幕はガラッと変わっていて、懐かしいキャラにほっこり嬉しい気分になりつつ、初めて観る作品を味わうドキドキも感じられて、一粒で二度…いや、十度ぐらい美味しい。さすがナゴヤ座!

 

配役(1.7、1.8共通)

弥次郎兵衛→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

喜多八→名古屋山之助さん(サンスケさん)

 

【OP】

借金取り→名古屋虎三郎さん(トラザさん)、名古屋参永已さん(サンエーさん)、名古屋参十郎さん(ジューローさん)、名古屋参笑太さん(ショータさん)、名古屋参太郎さん(タロウさん)

 

ダエさんの講談師から弥次さんへの変身が、めちゃくちゃカッコイイ!

ちょい見せでやっていたやり取りも取り入れられていて、懐かしい気持ちで、ニコニコしちゃいました。

ちょい見せもまた復活すると良いなぁ。商店街の店先で繰り広げられるお芝居って、すごくワクワクする光景で、大好きです。

新しいヤジキタダンスも、可愛くてウキウキしますね! ちゃんと覚えて、お伊勢さんで踊るのを今年の目標にしたいと思います!

 

【暗闘(だんまり)の宿】

護摩の灰(アニキ)→トラザさん

護摩の灰(弟分)→ショータさん、タロウさん

宿屋の主人→サンエーさん

 

サンスケさんが、サイン列でお話ししてくれた言葉で印象に残っているのが、「初役(ナゴヤ座では主役も含めて全役配役チェンジがあるので、その役を初めて演じること)を演る時は、俺はかけ蕎麦になるようにしてる」というものです。

他の役者さんが海老天やお揚げや色々な美味しい具を乗せて来るから、自分は、出汁の味も蕎麦も変わらない芝居を提供する、という意味だと教えていただいて、めちゃくちゃカッコイイな!と感動しました。

その言葉の意味を、今回の再演YAJIKITAを観て、めちゃくちゃ実感しました。

サンスケさんの変わらない喜多さんがいるから、お帰りなさい!という気持ちになれるんだなぁと、すごく胸熱でした。

 

今回、初参加のショータさん、タロウさんの護摩の灰弟分コンビ、最高でした!

元々一人だった弟分がもう一人増えたんですが、二人の性格の違いが面白さを倍増させていました。初っ端から腹筋千切れるかと思った…

タロウさんが演じた弟分は、サンキューさんの印象が強いんですが、完全に新たな面白さを作り出しているタロウさんの凄さに震えました。

コメディー方面にもこんなに才能があるなんて…まだまだ知らない爪が出て来そうで、ゾクゾクしちゃいます。

えっ、まだ、研修生なんでしたっけ!?!?

 

久しぶりに見たトラザさんの護摩の灰(アニキ)が、はちゃめちゃに渋カッコ良くなっていて、登場した瞬間に心臓が口からジャンピング家出しそうになりました…危なかった…

見えているのに見えていない気配斬りの動きができちゃうの天才で、めちゃくちゃ面白かったんですが、同時にめちゃくちゃカッコイイから、情緒が大変です。

ほっかむりしているのにカッコイイって、どういうことなんですか!? ありがとうございます!

 

【腹痛の宿】

宿屋の主人→トラザさん

医者→タロウさん

産婆のおシカ→サンエーさん

坊主の雲珍(ウンチン、漢字は予想)→ジューローさん

 

トラザさんの宿屋の主人がカ…………ッコ良すぎて、心臓止まるかと思いました。危ない…!(二回目)

サイン列のお話で、トラスケさんに「シェフみたい」と言われたと仰っていたんですが、確かに、こういうイケメンフレンチシェフいます。オシャレなフルコース出してくれそう。

 

タロウさんが凄すぎて、度肝を抜かれました。

めちゃくちゃ面白いし、回を重ねる毎に更に面白くなって行くし、自由に遊んでいるように見せつつ、本筋に戻って来るタイミングも抜群だし、えっ、研修生なんですか!?!? ほんとに!?!?(二度目)

ボケ倒すけど憎めない可愛いおじいちゃんを、二十代前半の若者が演じてるんですよね…この完成度の高さは何事…?

 

サンエーさんの産婆のおシカさん!

登場した瞬間に「待ってましたー!」とオオムコウを飛ばしたくなるサンエーさんのハマり役の一つ、久しぶりに観れて、めちゃくちゃ嬉しかったです!

笑いを掴みまくったタロウさんの医者の後に登場して、更に笑いを取って行くサンエーさん、さすが過ぎます。

前回、バカウケした役を再度演じて、更に面白くなってるってすごいことだと思うんですよ。天才だぁ…!

 

そこに、今回プラスされた坊主のジューローさんが、お経で絶妙な合いの手を入れて来るの、本当にヤバいです。笑い過ぎで死ぬかと思いました…!

ジューローさん、リズム感、めちゃくちゃ良いじゃないですかー!

 

ダエさん、サンスケさんが、弥次さん喜多さんをガチッと固めているからこその、若手組の笑いの爆発っぷりなんですよね。

初演時から比べて、ナゴヤ座のお芝居のバランス感の進化っぷり、凄いな…と思いました。

毎公演進化を続けて行くという意味を、こうして振り返ると、身をもって体感します。

 

【川越人足銭渡し】

人足(豪傑組親分)→ジューローさん

人足(豪傑組)→サンエーさん

人足(雷蔵組親分)→ショータさん

人足(雷蔵組)→トラザさん

 

再演時に登場した話ですが、今回の再々演で、ガラッとストーリーが変わっていました。

なので、初めて観た作品として、思いっきり笑いました。真っ直ぐ座っているのが苦しいので、転がるスペースが欲しいです…っ

 

前作の風来ボウイロスを吹き飛ばす座作品パロ(スピンオフ?)大好きです!

作品同士の繋がりを作ったり、パロディーのネタにしたり、作品数が増えたからこその遊びが見れるの、歴長めのナゴヤ座ファンとしては、にっこりしちゃう嬉しさです。

 

粋で鯔背という言葉が一番しっくり来るのがダエさんの弥次さんだと思うのですが、そんな弥次さんのあんな姿を見れちゃうとは…なんだかいけない秘密を覗いた気がしてドキドキしちゃいました。

 

風来ボウイ終盤でショータさんの雷蔵親分が実現したから、このジューロー豪傑vsショータ雷蔵の人足縄張り争いが観れたんだなぁと思ったら、ちょっと感動しちゃいました。

自分から雷蔵を演りたい!と売り込んだショータさんのガッツ、カッコイイし、それでちゃんとめちゃくちゃ面白い雷蔵親分を出せるのが、凄いんですよね!

 

サンエーさん人足の仁義の切り方に、サンエーさん石松を思い出して、ヒャー!ってなったし(客席からヒャー!の声が聴こえて、解ります!って握手したくなりました)、ジューロー親分のズンズンドッコ♪や、ショータ親分のヒャーハー!ナナちゃんがまた観れたのも嬉しかったです。

 

そして、トラザさん人足の見事な肉体美に、ふぁぁ…と見惚れてしまいました。

めちゃくちゃ綺麗な逆三角形の上半身に、腰の位置がめちゃくちゃ高い脚の長さに、水泳帽を被った頭の形まで美しい…って、どういうことなんでしょうか!?

片脚上げ拳腕立て伏せができちゃうの、カッコ良過ぎて、感動しました…!

 

トゥーランドットの布演出をすっかり自分達のものにして、川渡しの臨場感出してるの、さすがだなぁっておっきい拍手したくなりました。

余談ですが、布を動かしてる時の座員さんの真剣な横顔、めちゃくちゃカッコ良くないですか? こっそり眺めて、ドキドキしちゃってます。

 

【夢の宿】

腹出し→ダエさん、ジューローさん、ショータさん、タロウさん

鎌倉権五郎→トラザさん

 

夢の中で、喜多さんがクビになった一座に一泡吹かせてスカッとする、という流れは同じですが、演じられる歌舞伎の演目が変わりました!

 

浅学ながら、暫の名前は聞いたことがあっても、その内容は知らなかったのですが、観劇後に検索したら、鎌倉権五郎は、子どものような無邪気さも持つ江戸っ子憧れのヒーローで「力強く荒削りな男性が、ときに少年っぽさを見せる姿は、女性の心を強く惹きつける」と書かれていて、「トラザさんじゃん!」と、麺和さん(ナゴヤ座の下のめちゃくちゃ美味しいオマール海老つけ麺屋さん)で叫びました。

 

カニ道楽と言われちゃう大きな鬘を付けて演じられているのですが、上半身を全くぶれさせない姿勢で刀を避ける体捌きや、速度を増しても軸のぶれない回転など、体幹が鉄筋製なのかな?って思ってしまう美しさです!

「しーばーらーくー」のつらねの声の張りや通りも最強にカッコ良くて…ありがとうございます。大好きです!

 

腹出し四人の台詞回しや見得の切り方は、歌舞伎要素がしっかり出ているのに、そこに絶妙なバランスで現代的なコミカルさが混ぜられて、全部を聴き取れてはいないにしても、ちゃんと台詞の意味は理解できるのが、すごいなぁと思います。

これぞナゴヤ座のナゴヤ歌舞伎!という真骨頂を見た気がする満足感です。

伝統的な言い回しをあまり崩さないダエさんから、現代的な面白さを出すショータさん、タロウさんにバトンを繋ぐジューローさんのバランサーとしての巧さに、感動しました。今のナゴヤ座のバランス、本当に最高ですね!

 

歌舞伎的な立ち回りと、バッチバチのアクションのスピード感を混ぜた殺陣も天才でした!

あの鎌倉権五郎をバシッとカッコ良く演じつつ、最後は、ヒーローものの敵役みたいにやっつけちゃうはちゃめちゃさに、ナゴヤ座の技量と度胸の凄さを感じます。

 

これを良い機会に、歌舞伎の暫を観に行きたいなぁという気持ちになってます。

ゴヤ座は、伝統芸能への敷居を越える階段を作ってくれる場所ですね!

ナゴヤ座はえぇで……という語り。

名古屋駅からも名古屋城からも、脂肪が燃焼し始めるぐらいのウォーキングで行けちゃう円頓寺商店街にある芝居小屋。

それが、ナゴヤ座です。

毎週金土日、2公演ずつ公演しています。

カブキカフェとかいう冠被ってるんで、隈取した店員さんが見得切りながら、コーヒー運んでくれたり……みたいなイメージありますが、カフェ要素は、チケット代3500円にワンドリンク代が含まれることぐらいです。

どっちかと言うと、ライブハウスのシステムに近い気がします。

あと、ワンドリンクのラインナップにあるコーヒーは、豆にもこだわりがあって美味しい。

らしいです。コーヒーはコーヒーの味しかしない私の舌では判別できません。確かに、飲みやすい、かも?

ただし、ホットのみです。夏でも、ホットオンリーです。

他には、ハイネケンとかカロリ(缶チューハイ)とかコーラやオレンジジュースなんかも選べます。あと、なぜか、コンポタ。ウーロン茶は、アイスもホットもあるよ。

 

前置きはこれぐらいにしてですね……

このナゴヤ座、舞台オタクの魂に、滅茶苦茶刺さるんです!

 

まず、凄い役者さん達が揃っている。

ゴヤ座出演の役者さん達は、名古屋山三郎一座を名乗っておられます。

ちなみに、名古屋山三郎というのが、座長のお名前なんですが、他の座員さん達も、皆、名古屋なんちゃらです。

2019年5月現在の座員の人数が、11人(研修生1人含む)なので、11人の名古屋さんがいるわけです。最初は、名前を覚えるに、かなり苦戦すると思います。

だけど、一度舞台を観れば、自分の好みにハマる役者が、絶対に見つかる。それぐらい、各役者の個性が立ちまくっているんです。

妖怪クラスの身体能力を持つ自他共に認める美形とか、可愛い笑顔にクレバーな頭脳を隠した関西弁男子とか、どっしりした正統派な芝居を見せる変人とか、おもてなし精神溢れた安定の笑いをくれる三枚目とか、MC能力と企画力光りまくりの脚長イケメンとか、アクションと肉体美ヤバ過ぎな天才殺陣師とか、立ち回りの美しさとスベるという概念自体を知らないハートの強さのギャップがヤバい細身男子とか、二十代後半という年齢ならではのギラつきを迫力に変える演技力を持つ細身男子とか、15歳とは思えない肝の座った芝居をする若者とか、良い意味でバカという言葉を具現化したような全力系男子とか、これから先輩方に揉まれてどんな味が出るのか楽しみな現代の若者感溢れる研修生とか…………ほら、もう見たくなりませんか?

個々の役者さんについての語りは、また別の機会にすることにして、よくぞ、こんなに凄い役者を一つの箱に集めたな!? と、ちょっと動揺するぐらい実力のある役者ばかりが出ているんです。お芝居も、アクションも、凄過ぎて、鳥肌が立ちます。

そして、皆、顔が良い! 系統の違うイケメンが、揃い踏みしております。30代の脂の乗った年頃の役者が多いというのも、堪らないです。

 

更に、箱自体も、とても良い。

元々、料亭として使われていた建物を、初期メンバーの役者自らの手でリノベーションした……って、もうそれだけで、滅茶苦茶滾るんですが、そこから、どんどん進化して行って、この5月には、な、なんと……舞台の背面サイズの巨大なLEDパネルが設置されましてですね……いや、こんな設備を持った小劇場、他に見たことないぞって震えました。

と、いきなり、一番の売りを話してしまったんですが、もう少しどんな小屋なのか、という説明をしますね。

小屋の規模は、定員40人強ぐらい。

客席は座布団席4列と最後尾のベンチ席1列。座布団席は、後ろ2列は足のある座椅子になっています。

舞台は、座員全員が一度に上がると一列に並ぶのがちょいキツいぐらいの大きさですが、カブキカフェなだけあって、ちゃんと花道もあります。

花道を役者が駆け抜けて行ったり、そこで立ち回りをしたり、芝居をしたりもしてくれるので、あまりの近さに、ひぇ……って動揺します。心臓が口から出そう。

今上演している白浪五人男を題材にしたBENTEN the KIDという演目では、八百屋舞台が使われています。その上で見得を切ったり、とんぼ返りしたりすると、振動までビリビリ伝わって来そうな迫力がヤバいです。めっちゃ興奮する!

更に、客席後方から役者が滑車に乗って舞台上に登場するなんてギミックもあってですね、演目中に、カッコ良さで息の根を止められる……っと、天のお迎えを感じる瞬間が数えきれないぐらいあります。でも、最後まで観たいから、頑張って生きます。

客席と舞台との距離が、嘘でしょ!? ってぐらい近いので、最前列で観ると、刀が間近を通って行く迫力に、呼吸の仕方を忘れます。3列目以降の席だと、舞台全体を観ることができます。座椅子やベンチ席なので足が痛くならずにゆったり観れるので、そういう意味でもオススメです。前の方の席の迫力と、後方の席での舞台全体の画と、見比べてみると、新しい発見があったりして、面白いです。

照明や音響も、うーん、こういう効果を効かせるんだ、と唸ってしまうカッコ良さです。しかも、スタッフさんのアドリブが神がかっている! 最近導入されたLEDパネルも、どんどん活用の幅が広がりそうなので、これからの箱の進化も楽しみです。

 

そして、声を大にして言いたいんですが、脚本が、素晴らしい!!!

今上演されているBENTEN the KIDは、白浪五人男という歌舞伎の伝統的な演目を題材とした舞台ですが、古典のストーリーとネタを盛り込みつつ、気軽にふらりと観に来ても楽しめるエンターテイメントとしての分かりやすさを成立させているんです。

それでいて、繰り返し観るうちに、「あっ、この台詞は、後のこのシーンの伏線だったんだ」とか、「何気なく入れられているこの台詞が、この作品の核を表していたりするのかな?」みたいな、深読みしようと思えば、ぐんぐん掘り下げて行ける想像の余地もあって、行間の取り方が神がかっている……と感動します。

歌舞伎の予備知識が無くても、小学生の子どもからお年寄りまで楽しめて、だけど、原典に興味を持って学んでみると、登場人物同士の関係とか、また違った見方ができる。お芝居を観るのは初めての客層も、ディープな観劇ファンも、「面白い!」と思える舞台って、滅茶苦茶すごいんじゃないかと思います。

計算を計算に見せない緻密さで張り巡らせた脚本でありながら、役者のアドリブに任せた部分もあって、それが、ナマモノである舞台の魅力と、役者の個性が染み出した一人一人のキャラクターの魅力を引き出しまくっているのが、本当に天才としか言えなくて……

百聞は一見に如かずだと思うので、ぜひ、こちらをご覧ください!

[ナゴヤ座]SAZEN -魔剣の章- 第一幕[ナゴヤカブキ] https://youtu.be/KlkR0sX1CMw @YouTubeより

[ナゴヤ座]SAZEN -魔剣の章- 第二幕[ナゴヤカブキ] https://youtu.be/BptF7eSXtkY @YouTubeより

これは、今は上演していないSAZENという片目片腕の怪剣士丹下左膳が主人公の演目なんですが、BENTEN the KIDの脚本を書かれている右来左往先生の世界観をどっぷり味わっていただけると思います!

しかも、これ、無料で観れちゃうので、是非に、是非に!

 

更に、ナゴヤ座の凄いところは、配役が固定ではないんです。

BENTEN the KIDの主役の弁天小僧も、日によって違う人が演じたりします。

全ての役柄が、ダブルキャスト、トリプルキャスト、それ以上のバージョンがあったりします。

ダブルキャストの舞台を、それぞれの配役で観比べたことがある方なら分かると思いますが、演じる役者が変わると、同じ脚本で演っているとは思えないぐらい、作品の色がガラッと変わります。

その化学反応が、毎公演のように起こるので、何度観ても新鮮に面白い、変化を感じるとより一層面白い、これは、通わずにはいられまいて!

力のある役者さん達が、それぞれの解釈で作り上げたキャラクターは、お芝居の中の人物だと解っていても、惚れ込んでしまうぐらい魅力的です。

台詞回しで、表情の作り方で、ちょっとした仕草で、立ち回りで、弁天小僧が、日本駄右衛門が、赤星十三郎が、南郷力丸が、忠信利平が、浜松屋が、血肉を与えられる感覚、何度観てもゾクゾクします。

キャラクターの性格や背負う過去も、キャラクター同士の関係性も、演じる役者の組み合わせによって、全然違うものになって行く……この感覚、舞台好きなら、めっちゃ血が滾ると思います!

…………はい、お察しのとおり、滅茶苦茶通ってます。滅茶苦茶通っているのに、毎週、腹筋割れちゃうぐらい笑って、うっかり感動で泣きそうになってます。みんなも、私と同じ沼の住民になると良いよ。

マイベスト配役を見付けても良し、その日その日の関係性の変化を楽しむも良し、金土日の3日とも全部配役が違ったりする贅沢さを、ぜひ味わっていただきたいです。

推し役者ができたら、推しが色んな役に挑戦する姿が観れる! ということだけでも、天に向かってハレルヤ! と叫びたいぐらい感動します。

当日、開演するまでその日の配役が分からないというランブロ感も、段々クセになって来ます。

が、推しが初役の衣装で現れた瞬間、血湧き肉躍りすぎて、萌え貧血を起こしかねないので、注意が必要です。ビークール。

 

そして、ナゴヤ座独自のシステムも、オタク魂の中枢にぶっ刺さるものがあります。

まず、ナゴヤ座では、演目中、役者にオオムコウを掛けることを推奨されています。

オオムコウとは、歌舞伎などで、贔屓の役者に向かって「◯◯屋!」と屋号を叫ぶあれです。

と言うと、なんだか難しそうな感じがしますが、ナゴヤ座のオオムコウは、もっとゆるっと気楽です。

役者がキメポーズを取った時に、その役者の名前を叫ぶのが基本です。

座長の名古屋山三郎さんであれば、「サンザ!」みたいに、噛まずにオオムコウできる呼び名が決まっています。

開演前に、レクチャータイムがあるので、そこで頑張って覚えてみてください。

と言っても、◯◯ザや◯◯スケが多かったりして、最初はよく分からないと思うので、周りの声に合わせて、なんとなくニュアンスで声出してみても良いと思います。

慣れてくると、推しの名前を叫べる応援上映感に、めっちゃテンション上がります!

全員でキメポーズを取った時の、「ナゴヤ座!」、二人の役者がキメた時の、「ご両人!」なんかは、初心者でも安心して叫べるオオムコウなので、恥ずかしがらずに、バンバン声出しちゃってください。

などと語っておりますが、ついついお芝居に見入ってしまうタイプの私は、ナゴヤ座歴2年半を超えているにもかかわらず、未だにオオムコウ出遅れております……なので、みんな、本当に恥ずかしがらず……少なくとも、私よりは上手いから……!

 

そして、オオムコウとともに、おヒネリのシステムもあります。

おヒネリとは、簡単に言えば、紙に小銭を包んで舞台に投げ入れるチップの制度なんですが、投げた小銭が当たると役者に怪我をさせてしまいかねないので、ナゴヤ座では、ゴムを紙で包んだ物をおヒネリと呼んでいます。

それじゃあチップにならないじゃないか、と思いましたか?

それがですね、非常に良いシステムが用意されているんですよ。

ゴヤ座には、おヒネリガチャと呼ばれるガチャガチャの機械が役者の人数分、置かれています。そう、あの、スーパーとかゲームセンターとかに置いてある、小銭を入れて回すとカプセルが出て来るアレです。

ゴヤ座のガチャガチャのカプセルの中に何が入っているかと言うと……おヒネリ2個!

そう、ガチャガチャを回すことによって、実質的にチップが役者に入る仕組みになっているのです。だから、役者の人数分のガチャガチャがあるわけです。

推しに直接的に課金できる制度……これは、ヤバいです。

ちなみに、1回500円。親切にも、両替機も用意されています。

カプセルには、おヒネリ2個の他に、役者の写真やナゴヤ座のロゴなどの缶バッジがおまけで入っています。そして、時々、当たり券が入っていたりもします。

当たり券が出ると、ブラインドくじ方式の役者のフォトカードがもらえます。演目中の衣装バージョンも、素顔の和装姿バージョンもあるのが、ファン心を解り過ぎている……しかも、定期的に新作が追加されちゃうんですよ……福利厚生が手厚すぎて、こわい……っ!

更に恐ろしいことに、このフォトカード、終演後に、役者さんから直接サインをもらえちゃうんです。

板の上から降りた後の、肩の力が抜けた状態になった役者さんと直接お話しして、舞台の感想をお伝えできたり、ちょっとした裏話が聞けちゃったり、ゆるほわーな素顔を垣間見せていただけちゃったりするの、有り難すぎて、拝みたくなります。ナゴヤ座さま、ありがとう……

役者沼の味を知る方なら分かると思いますが、板の上のバリバリカッコイイ姿と、フリートークの時のほわーんとした素顔のギャップって、本当に、心臓ど真ん中にギュン! とぶっ刺さるんです。それが、対面で味わえてしまう……恐ろしい……

ちなみに、ナゴヤ座に初めて行ったお客様には、ポストカードが渡されます。これは、好きな役者1人からサインがもらえるもので、サインサービスのお試し版みたいなものです。これで、ギュン! を味わってしまったら、もう、ガチャを回さざるを得ない……ウェルカムトゥーナゴヤ座沼!

 

もう、何言ってるのかよく分からなくなって来ちゃったけど、とりあえず、舞台オタクの皆、ナゴヤ座に来てー!