hujiru12’s blog

観劇感想ブログです。

サンスケの日に名古屋山之助さんについて書いてみた

3月4日はサンスケの日ー!

ゴヤ座(http://nagoya-za.com/)の名古屋山三郎一座の副座長、名古屋山之助(なごやさんのすけ)さん。オオムコウ(歌舞伎などで舞台上の役者に対して投げる声援。ナゴヤ座では難しいルールなどなく観客誰でも自由に飛ばせます)は、サンスケ! 座員カラーは赤!

ゴヤ座には現在(2023年3月4日)研修生を含めて12人の座員がいますが、名前に山の字が付くのは、座長のサンザさん、副座長のサンスケさん、そして2016年12月に卒業されてしまった名古屋山平太(ペータ)さんの3人の初期立ち上げメンバーだけです。山の字を持つお二人が、現在の正座員、残りのメンバーが平座員(最年長座員のダエモンさんが自称するからそう覚えちゃいましたが、呼び名ってこれで良いんでしょうか?)です。山の字を持つお二人を、屋号っぽく山屋と呼んだりもします。プチ解説終わり。

 

私が初めてナゴヤ座に行った時、サンスケさんは天照大神の役をされていました。最高神だし(なのに、なぜか、座長が演じる月読尊の方が偉そうでした)、太陽を司る完全な陽の存在だし、当時のサンスケさんは今よりだいぶんストレートに二枚目キャラ路線だったので、正直なところ、めちゃくちゃ警戒しました。陽キャな若いイケメン、怖いじゃないですか…

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だけど、アフタートーク(当時のナゴヤ座は、前半がお芝居、後半がアフタートークの二部制でした)になったら、気配りの行き届きまくったホスピタリティに、優しい…!と、警戒心が一気に解けました。

当時は、岡崎の方で某武将様にお体を貸されていたというサンスケさんの経歴を存じ上げなかったのですが、そのおもてなし力の高さには、ナゴヤ座に通い始めた頃から尊敬の念を抱いて来ました。私のような経験をしたナゴヤ座ファンの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。サンスケさんの笑顔には、人を安心させる力があります。

と、柔和な印象の強いサンスケさんですが、その芯にあるのは、めちゃくちゃストイックで負けず嫌いな誰よりも男らしい心なんじゃないかと思います。負けず嫌いと言っても、誰かと争うわけじゃなく、自分自身に対して負けるかー!って気持ちが強くて、どんな大変な場面でも歯を食いしばってやり遂げてしまう。

しかも、一番しんどい時には、絶対にしんどいとは言わない。全然大丈夫って顔をして重たい荷物をちゃんと運び終えてから、「あん時は大変だったんやー」と弱さを見せてみたりする。そういうところも含めて、サンザさんとは違ったやり方で、名古屋山之助像を作り上げている、頭のキレるセルフプロデュース力を感じます。

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源九郎義経

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弁天小僧菊之助

主役を演じることが多いサンスケさん。ご本人は「いやいや、何言うとんねん」とおっしゃいますが、やはりナゴヤ座の花形はサンスケさんだと思います。

主役が何パターンもあるという凄い進化を遂げたナゴヤ座の配役シャッフルシステムの中でも、やはり、新演目スタート時の主役を担うサンスケさんの力量は、お芝居の上手さという意味でも、一番しんどい期間を走りきる体力的な意味でも、ものすごいです。

サンスケさんには、特別ではない少年が皆と力を合わせて大きなことを成し遂げるという少年漫画の正道を行くストーリーの主役が似合いますが、単なるヒーローではなく、ほんのりと切なさを香らせるのが、サンスケさんのお芝居の巧みさだなぁと感じます。弱さを覗かせる匙加減が天才なんですよね。

そして、より物語の筋が伝わりやすく、より面白く感動するものにと、公演数を重ねる度に進化して行くナゴヤ座の作品の中で、誰よりも細かい工夫を重ねつつも、初演時までにしっかり作り上げた主役のキャラクターのスープの味は変えない。他の配役が変わることで関係性に大きな変化が感じられても、サンスケさんが演じる主役のキャラがぶれないから、YOSHITUNEなら義経の、BENTENなら弁天小僧菊之助の、SEIMEIなら安倍晴明の、風来ボウイなら森の石松の物語だという作品の根幹は揺るがない。そうやって出来上がったところに、新しい主役を入れて全く別の作品のように味付けを変えちゃうところがナゴヤ座の面白さですが、それを楽しめるのも、サンスケさんが最初にしっかりベースを作り上げたからだと思います。

難しく書き過ぎてしまいましたが、演目の再演時に、サンスケさんが演じる弁天小僧や喜多さんが出て来ると、「おかえりー!」って叫びたくなる。そういうことです。

ところで、私は、三十代後半になって出て来たサンスケさんの漢の色気を感じる石松がとても好きです。この路線の女好きキャラとか演じていただきたいです!

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陽のイメージが強いサンスケさんですが、悪役を演じるとその印象がガラッと変わります。人外の怖さではなく、人間の怖さ。何かが欠けていたり、大切な何かを失ってしまったりした人間の箍が外れる瞬間の恐ろしさを演じる時、サンスケさんが見せる狂気は、背筋が凍る気迫があります。

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SAZENの相馬大膳亮は、人間としての自制心が欠けたまま育ってしまった大人でした。虫の手足を千切って無邪気に笑う子供のように左膳を痛ぶる姿が、怖かった…

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サンスケさんの魔苦減須は、とても普通の男でした。だからこそ、半身であり共犯者でもある妻を失ってしまった瞬間、人としての心がガラガラと音を立てて崩れ落ちる様が、切なく、とても恐ろしかった。

心身を削る役である魔苦減須を、一ヶ月演じきった時のサンスケさんには、鬼気迫るものを感じました。この時、穏やかで気配り上手なサンスケさんの、魂の本質のようなものを見た気がします。芝居にストイックな負けず嫌い。名古屋山之助さんは、本当にカッコイイ漢です。

サンザさん不在時に座長代理を務める時は、サンスケさんのサインが、いつものものではなく、ひらがなで「のすけ」と書くバージョンに変わるのですが、ナゴヤ座の看板を背負う重責を担っている時の方が普段より可愛いサインになるのが、なんだかサンスケさんらしくてニッコリしてしまいます。

 

サンスケさんは、頭の回転がとんでもなく速く、周囲を見る視野が広いので、お芝居のバランサーとして立ち回られることが多いですが、最近ではその役割を担える座員さんも増えて、メイン以外の役で好きに遊ぶサンスケさんも観れるようになりました。

サブキャラを演じる時のサンスケさんは、すごくイキイキしています。温存していたネタをてんこ盛りにして、クセの強い(だけど確実に愛される)キャラを演じて、お芝居を全力で楽しみながら、それでいて、何度も観た作品にハッとする気付きをもたらしてくれるスパイスを仕込んで来る。ロングラン演目の終盤戦で観るサンスケさんの脇役のお芝居には、やられたー! という気分にさせられることが多いです。爽快な白旗。

作品の面白さをどこまでも突き詰めるべく24時間脳味噌をフル回転させ続ける、頭が良過ぎて540度回って逆にすごく馬鹿にもなってしまえるサンスケさんは、きっととんでもなく深い芝居愛を持つ役者さんです。

お芝居のことばかり語ってしまいましたが、サンスケさんは殺陣もすごいです。運動神経がハイスペックでだいたいの立ち回りをやれてしまう上に、自分が一番魅せられる動きを解っていらっしゃる。そして、人離れした動きをするサンザさんや、アクション技術のズバ抜けたトラザさんの本気に、ピタリと合わせてしまうサンスケさんは、とても凄い。

しかも、最初からできてしまっていたから気付きにくいけれど、演目毎に進化して行くナゴヤ座の殺陣に合わせて、どんどん技術を上げて行かれている。私が初めて観た時のサンスケさんの立ち回りと、今のサンスケさんの立ち回りとは、全然別物になっていると思います。きっと、そこにも、サンスケさんの自分自身への負けず嫌いさが現れているんだろうなぁ。

 

ご自身の好き! がハッキリ定まっているファッションセンスにも、サンスケさんらしさが溢れています。粋でありながらほんのりと可愛らしさもプラスする、サンスケさんの和装オシャレ術、とてもステキです。

オシャレで美味しいお店の情報もいっぱい持っていらっしゃるので、円頓寺商店街で行くお店に迷ったら、サンスケさんに聞いたら間違いないです。どういうものが食べたいかを確認して、的確なオススメをくださる…やっぱりサンスケさんのホスピタリティはすごい!

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私が初めてナゴヤ座に行った時の、正統派二枚目役者から、ナゴヤ座版二枚目(ユーモアがある男が一番モテる)に進化しているサンスケさん。これからも、論理的な思考力と熱い芝居欲を両輪に、ナゴヤ座の花形としても名脇役としても、ご活躍されてください!

サンザの日に名古屋山三郎さんについて書いてみた

3月3日はサンザの日ー!

カブキカフェナゴヤ座(http://nagoya-za.com/)の名古屋山三郎一座の座長、名古屋山三郎さん(座員カラーは紫)について書いてみたいと思います。

サンザというのは、名古屋山三郎(なごやさんざぶろう)さんに対して飛ばすオオムコウの呼び名です。オオムコウは、歌舞伎なんかで役者が決めた時に掛ける「ヨッ、成田屋!」とか「ご両人!」とかの声援です。ナゴヤ座では、お芝居中にそのオオムコウを飛ばすことが推奨されています(ご時世柄、マスク着用の上での発声です)。

名古屋山三郎というのは、戦国一の美少年と言われる武将で、歌舞伎の親との説もある実在の人物です。サンザさんは、その名を冠するに相応しい美しいお顔立ちをされています。

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見てください。この日本人離れした彫りの深さ、美しい鼻筋、彫刻のような輪郭、長い睫毛!

一座の座員である名古屋虎三郎(トラザ)さんが撮るお写真(通称とらかめ)のサンザさんが最高潮に美しいので、こちらでその美をご堪能ください(https://www.instagram.com/p/CW6Tg3_hRmn/?igshid=YmMyMTA2M2Y=)。

 

サンザさんの魅力を一言で表すと、硬派な妖艶さだと思います。相反する言葉のように思えますが、お芝居に対するストイックな掘り詰め方、粋な漢気を体現する名古屋山三郎というキャラ作り、そこから生まれる人間離れした妖しさと、女も男も魅了する艶、その老舗の鰻屋の秘伝のタレみたいな味わいが、サンザさんの魅力(ある意味魔力?)です。

 

私が初めてサンザさんのお芝居を観たのは、6年4ヶ月前。美容院で渡されたcheekに円頓寺商店街特集の記事が載っていて、そこで見たサンザさんの写真に、めちゃくちゃ綺麗なお顔の役者さんがいるんだなぁと興味を惹かれ、ナゴヤ座に足を運んだのがきっかけです。

その時に演っていたのは「月読」。改良を重ねながら、ナゴヤ座オープンの2016年4月からロングランを続けていた演目でした。日本神話の三神と八岐大蛇との戦いを題材にした作品でしたが、当時のナゴヤ座のお芝居は、しっかりとした脚本などはなく、おおまかな話の流れ以外はその場の即興のアドリブで作って行く、東京の舞台観劇に慣れた私には、かなり荒削りに感じるものでした。お芝居中に、いきなりグルグルバットするとは思わなかったし、立ち回り中に木刀を鉄パイプに当ててガンガン鳴らすとは予想もしていなかったので、大変なところに来てしまった…!と震えました。

だけど、面白かったんですよねー。全てを全力でぶつけ合うようなお芝居が、本気で命を取りに行っているような鬼迫の殺陣が。で、まんまとナゴヤ座沼に浸かり始めるのですが、その話は置いておいて。

月読の演目で、サンザさんが、黒い打掛を羽織って舞う場面の色気と、八岐大蛇の毒に操られて仲間を襲う殺陣の見たことのない身体の動かし方に、こんな妖艶な人がいるのか! と衝撃を受けました。

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そして、その後に観た烏天狗のお役(極上ナゴヤカブキの最新作「虎の尾」に登場したあのずるカッコイイブラックヒーローの烏天狗です! ちくさ座を沸き上がらせたそのカッコ良さは、こちらのDVDでぜひご覧ください。https://nagoyaza.thebase.in/items/69835689)を見て、確信しました。サンザさんには妖怪の血が流れていると……

と言いたくなるぐらい、サンザさんには人外の役が似合います。人外ジャンルとしては、やはり日本の妖怪が一番しっくり来ます。強くて知能も高く神として扱われるような、それでいて人と戯れに関わる茶目っ気も持つ。そんな妖怪を演じるのが、サンザさん以上にしっくり来る役者さんはいないと思います。

ご本人曰く「仙人を目指している」そうですが、40歳を迎えて枯れるどころか艶を増した色気を感じるに、やはりサンザさんの到達点は妖怪寄りなものだと思うのです。

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そして…そして…あの伝説の丹下左膳です!

男臭い渋カッコ良さを体現する和製ダークヒーローで在りながら、その命を絞り出すような戦いに、切なさと色香を感じます。墨絵の入った白い着物と赤い襦袢の合わせが、粋と艶の極みです。令和の世に、これほど錦絵に描かれるのが似合いそうな役者さんは、他にいないです。

右目を閉じた状態で、左手一本で刀を振るう(鞘は歯で紐を咥えて抜く)立ち回りを考えたトラザさんも凄いですが、それをやり遂げたサンザさんの立ち回りの凄さを観て、天上天下唯我独尊という言葉が浮かびました。

この世でたった一人にしかできない芝居をする。それは、名古屋山三郎一座の役者さん全員に、もしかしたら、役者として生きている人達全員に当てはまる言葉なのかもしれませんが、サンザさんのお芝居の唯一無二さは、別次元のもののような気がします。そう思わせるだけの、生の魂に触れるような、ビリビリ痺れる鬼迫があります。

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そこから、出会いもあり別れもあり、気付けばナゴヤ座も研修生を含めて12人の大所帯に。

ちくさ座の広い舞台でまさに天上天下唯我独尊のワイヤーワークありのアクションで360度全方位の観客を魅せた孫悟空シェイクスピアの作品を歌舞伎風にアレンジした凄い作品MACBETHの堕ちて魔王となる男の凄まじい生き様を体現した魔苦減須、安倍晴明をライバル視した男がその恨みの力で人外へと変じる姿を関節の動きだけで観せきったSEIMEIの蘆屋道満。サンザさんの魔さえ平らげ己の血肉にして行くような圧倒的な強さ、恐さ、そしてそこから生じる観る者の魂を引き込む妖しい艶は、ナゴヤ座の演目が作品数を増して行く度に、どんどん煮詰められ味わいを凝縮させて行くようでした。

そんな時に、思わぬ方向性で、サンザさんの魅力の新しい扉が開く役を観ました。

座長不在でも新作の公開を迎えられるぐらいに頼もしさを増した一座の中で、あの絶対無二の強者である座長が、男の力に怯えるか弱い姫を演じられたのです。

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Turandotという演目は、オペラの戯曲が元になった作品で、タイトルにもなっているトゥーランドット姫の女性として生きる苦しみや自尊心をへし折られても立ち上がる魂の強さが描かれた物語なので、トゥーランドット姫もある意味ではとても強いのですが、サンザさんの演じる姫は、他の姫達(そうなんです。この演目の頃には、主役も含めた配役シャッフルが当然になっていました。改めて考えると、それだけの力を持つ役者さん達が集まったナゴヤ座ってすごいなぁ)と比べても、一番弱さや幼さを見せていた気がします。

サンザさんが、老人から若者、タイ人留学生(ソムチャイ懐かしいです)、どんな者にでもなれてしまうすごい役者だということは知っていました。骨盤の位置で役作りをするという言葉どおり、立ち姿だけで強者にも弱者にもなれるのが、名古屋山三郎という役者です。

が、ナゴヤ座の中ではやはり、ラスボスのイメージが強かったので、あの座長が少女になった! という衝撃は大きかったです。

以前、サンザさんが「俺の顔は、パーツは綺麗だけど、輪郭ががっしりしてるから、女形演るならサンスケとかの方が似合う」というような発言をしていて、男顔女顔の顔タイプの考え方をしっかり身に付けていらっしゃる…! と驚いたことがあります。その時は、めちゃくちゃ納得したのですが、蓋を開けてみたら、メイク技術でその男っぽさも見事にカバーしていて、白旗を上げました。KATEの6色パレットのポテンシャルの引き出し方がエグい!(褒め言葉です)

座長以外にも、それぞれの魅力で「圧倒的な強者」を演じられる座員さんが増えたからこそ見えたサンザさんの新たな魅力の側面が、この先どう広がって行くのか楽しみです。

勿論、強いバケモノのサンザさんも大好きなので、そういうお役もいっぱい観たいです!

 

お役以外のサンザさんは、昭和の男ってオーラを全身から出されているのに、下戸でお酒は飲めず、お休みの日にお菓子作りしちゃうぐらい甘いもの好き(カスタードクリーム手作りできちゃう上級者!)で、ぼっちで狩りに行っちゃうぐらい苺好き、という可愛い一面もお持ちです。サンザさん版美味しいお顔(眉間に皺を寄せた渋カッコイイ漢の顔)で、あまぁいシロノワール食べたご報告などしてくださるので、ぜひTwitter(@nagoya_sanza)をフォローして、ニコニコしてください。

白目?と二重顎?がクセになる可愛さを持つぽんにゃりネコチャンを描かれたり、猫ちゃん大好きだけどアレルギーで触れなかったりするところも、サンザさんの可愛いポイントです。これは、ネコチャンによく似たウサチャン。

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人離れした美しいお顔立ちと、気風の良い喋り方や、何よりもお芝居の凄さから来る役者オーラで、「怖い」という印象を持たれがちなサンザさんですが、サイン列などでお話しすると、柔和な笑顔でとても話しやすい方です。「凄い!カッコイイ!」という褒め言葉を「だろ?」とストレートに受け止めてくれるところも、ステキです。なので、ナゴヤ座にいらっしゃった際は、ぜひ、サンザさんのサイン列に並んでみてください。より一層、その魅力を感じられると思います!

 

30-DELUXさんのナナシでのめちゃくちゃカッコイイ服部半蔵役でファンの幅を広げたサンザさん、2022年の年末から怒涛の外部出演ラッシュで、今はまた30-DELUXさんのシェイクス2023にご出演中です。ナゴヤ座でも、ナゴヤ座の外でも、名古屋山三郎の魅力の幅をぐんぐん広げていらっしゃるサンザさんのこれからのご活躍が更に楽しみです。

ゴヤ座の座長はすごいんだぞ! って、日本中、世界中に胸を張りたくなる役者さんが、名古屋にいることがとても誇らしくて嬉しいです。芸どころ名古屋のエンタメの熱さを、これからも全身で見せつけてください!

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睫毛、なっが!

ナゴヤ座のススメ(令和5年3月版)

以前、ナゴヤ座のススメを書いてから、気付けばもう4年が経ってしまっていました。あれから色々変わった点もあるので(コロナ禍でのシステム変更など、より安全でスムーズな方法を模索してくださるナゴヤ座様の努力には、本当に頭が下がります。あと、魅力的な座員さんも増えました!)、来月迎える7周年を前に、現時点でのナゴヤ座についてまとめてみます。

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【ナゴヤ座とは?】

http://nagoya-za.com/about.html(公式サイトより)

カブキカフェナゴヤ座と謳っていますが、カフェ要素は、入場料にドリンクチケットが一枚付いて来るぐらいなので、ドリンク一杯飲みながら観劇できる芝居小屋だと思ってもらえれば凡そ間違いではないです! ライブハウスの演劇版って感じです。

名古屋という字を背負った役者さん達、名古屋山三郎一座が、週四日(水金土日)計八公演を、年末年始や演目切替の時期などを除いて、基本的に一年ぶっ通しで上演しています。改めて書くと、すごい公演数ですね…!

上演される演目は、歌舞伎の演目を題材にしたものだったり、シェイクスピア作品を和風にアレンジしたものだったり、様々です。だいたい一つの演目あたり、半年前後のロングラン公演です。今、上演中の作品は、「東海道中膝栗毛」の弥次さん喜多さんの道中記をナゴヤ座版に味付けした「YAJIKITA」です。

名古屋山三郎一座というのは、劇団とはちょっと違う……元武将隊の経歴を持つ役者さん、MCやナレーター経験も豊富な役者さん、プロデュース業もされている役者さん、アクションコーディネーターとしても活躍されて来た役者さん、アクションマンと日舞講師の顔を持つ役者さん、ラジオパーソナリティーをされている役者さん、お笑い芸人として活躍されて来た役者さんなどなど、多種多様な強みを持つ役者さん達が、その個性を活かして一つの舞台を作り上げる…戦隊ヒーローみたいな集団です。

なので、ナゴヤ座の演目は、どの作品も、笑いあり、感動あり、アクションあり、時に歌や踊りもありの、あらゆるエンタメがギュギュッと詰まった、トッピング全部乗せのカレーみたいな魅力に溢れています!

しかも、ナゴヤ座の定員は、最大でも約40人。芝居小屋という言葉がピッタリのコンパクトさ(その中に、採算度外視の照明機材や撮影機材を入れちゃうナゴヤ座番頭さんのこだわりがヤバいです! 褒め言葉です!)なので、客席との距離がビックリするほど近いです。私が知る限り、世界一近いんじゃないかと思います(だから、コロナ禍では、客席との間にアクリル板を設置したり、観客にフェイスシールドを配ったり、定員数を減らしたり、色々対策を考えてくださいました)。息遣いを感じる距離感で、魂の籠もった芝居を浴びる。安全が確保されていることは解っていても、命を取られるんじゃないかと背筋がゾクゾクしてしまう近さで振られる刀の速さを感じる。他の劇場ではなかなか体感できない凄さだと思います。

そして、更にすごいのは、ナゴヤ座の演目は、主役を含めた配役シャッフルがあるんです。その日の出演役者さんは、ナゴヤ座のチケット予約のページ(http://nagoya-za.com/ticket.html)で確認できますが、配役は、その日の舞台の幕が上がってみなければ分からないというドキドキ感。でも、安心してください。どんな組み合わせでも、毎回神回を約束する実力者揃いの名古屋山三郎一座。いつ観に行っても、期待を遥かに上回る感動をもらえることを、ナゴヤ座ファン歴6年4ヶ月の私が保証します!

公式サイト様の紹介文にもありますが、ナゴヤ座の舞台は、観客参加型です。詳しくは後で触れますが、オオムコウや前説で予め練習した掛け声を(現時点では、必ずマスク着用で)飛ばしたり、オヒネリを投げたり、拍手で盛り上げたり、作品によっては予め配られるプレートなどを上げたり、天井から降って来るボールを舞台に向かって投げて悪者を一緒にやっつけたりします。ナゴヤ座の役者さん達は皆、お客さんを巻き込んで盛り上げるのが上手いので、お芝居中に、レスポンスを求められたり、ゴムパッチンを持たされたり、絡まれることもあります。そういう時は、恥ずかしがらずに参加しましょう。楽しいから! 特に、はじめましてのお客様や男性のお客様はターゲットにされやすいので、ぜひ参加して盛り上がってください!

現地に観に行けない時も、水・土夜公演を無料で生配信(配信がない日もあるので、ナゴヤ座HPのチケット予約のページで確認してください)があるので、YouTubeで観劇することができます(https://youtube.com/@user-bx7qy1nn1n)。カメラワークも画質も無料とは思えないクオリティーなので、一度覗いてみてください。すごいから! アーカイブもあります。

 

【ナゴヤ座への行き方】

ゴヤ座は、名古屋市西区那古野にある円頓寺商店街の中にあります。名古屋の商店街といえば大須が有名ですが、円頓寺商店街は、名古屋駅から徒歩15分ぐらいの距離にあるのに、四間道などの昔ながらの景色も残る落ち着いた雰囲気で、フォトスポットとしても推せるステキな商店街です。昔ながらの老舗も残りつつ、オシャレな新店舗も続々オープンする熱いスポットなので、名古屋民として推したい場所です。美味しいごはんが食べられるお店、美味しいお酒ご飲めるお店(最近、昼呑みできるお店が増えてて嬉しいです)がいっぱいなので、ナゴヤ座観劇前後の食事には困りません。せっかくなので、円頓寺商店街の公式HPも貼っておきます(https://endojishotengai.com/home.html

名古屋駅から徒歩15分とありますが、どうやって歩けば良いのか迷いますよね? 私は、5分歩けば立派に迷子になる自信があるので、少し詳しめに書かせていただきます。方向感覚に自信のある方は読み飛ばしてください。

遠方からいらっしゃる方を想定して、新幹線の改札から出たところからスタートします。新幹線の改札を出ると、大きな銀色の時計があります。これが、名古屋民の言う銀時計です。そこから駅のコンコースを高島屋側に向かって歩いて行くと、大きな金色の時計があります。これが、名古屋民の言う金時計です。待ち合わせの時などに良く出て来る単語なので、覚えておいて損はない…かもしれないです。

高島屋の前を通過して桜通口から外に出ます。このまま地上を歩いても良いんですが、名古屋の夏の暑さも冬の寒さも人を殺しにかかっているので、地下に潜りましょう。ナゴヤ座公式サイト様もそのルートを勧めています。

ちなみに、新幹線の改札を出てすぐの長い階段を下まで降りて、地下鉄桜通線に乗ると、円頓寺商店街最寄りの国際センター駅に着きますが、名古屋の地下鉄代は高くて、一駅でも210円掛かる&桜通線は本数が少なめ(10分ぐらい待たされます)なので、一日乗車券を買った時以外は、徒歩ルートがオススメです。

戻ります。桜通口を出て右手に進んだところにある階段を降りると、地下鉄東山線の改札があります。それを通過して反対側まで歩くと、ユニモールの入口があるので、入って行ってください。

ユニモールの通路をずんずん真っ直ぐ歩いて行くと、国際センター駅に着きます。国際センター駅に着いたら、2番出口から出てください。2番出口手前にエレベーターがあるので、荷物が重い時とかはそちらで上がってください。

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上がったら、高速道路と並走?して、真っ直ぐ歩いてください。

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わりと真っ直ぐ歩く距離が長くて不安になりますが(私も初めて行った時、とても不安になりました。道中、天むす屋の千寿さんがあります。めちゃくちゃ美味しいので、時間とお腹に余裕があったら、買ってみてください🍤)、まーっすぐ歩いて行くと、ファミリーマートがあります。そこが、ナゴヤ座のある円頓寺商店街の入口です。

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この円頓寺商店街を真っ直ぐ歩いて行くと、出口少し手前に、ナゴヤ座があります。おっきな演目写真看板が出ているので、ここだ!とすぐに分かります。

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【ナゴヤ座の観劇システム】

①予約

ゴヤ座のチケット予約は、booking81(https://booking81.com/)で行うネット予約になります。ナゴヤ座HPのチケット予約のページ(http://nagoya-za.com/ticket.html)から飛べます。毎月20日頃の予約開始日には、サーバーが混み合います。ナゴヤ座人気すごいんです! 予約取れなかった日も、後日、キャンセル出て残席有に戻っていたりするので、諦めずチェックしてみてください。

料金は当日払いです。ナゴヤ座には、月パスという1万円(税込)で土日公演何度でも見放題、8000円(税込)で水金公演何度でも見放題というすごいシステムがあります(その月初めて行く日の受付で申し出て購入できます。好きな役者さんの写真が入ったカードを選べちゃいます)が、月パス利用する際も、予約はbooking81で行います。

どうしても行けなくなっちゃった時は、booking81の予約履歴のページからキャンセルできます。

この先の流れは、ナゴヤ座公式のインストハイライト(https://www.instagram.com/s/aGlnaGxpZ2h0OjE3OTk4MDE1Njc4NDkyODk5?story_media_id=2956029017991683443&igshid=YmMyMTA2M2Y=)が分かりやすいですが、蛇足ながらちょっぴり情報付け加えさせていただきます。

②受付

ゴヤ座公式HP記載のstart時間は、開場時間になっています。その15分前から、ナゴヤ座前で受付開始です。現在、入場整理番号カードは、受付時にくじ引きで渡されるので、受付開始時間ちょうど〜入場開始に到着すれば大丈夫です。複数名で予約をした場合は、誰か一人がまとめて支払→整理番号は一つで全員一緒に入場になるので、グループで近くに座りたい時は、そうするのが良いと思います。整理番号が後の方だと、並びで空いていない可能性もあるので、そこは運ですが… 複数名で予約をしても、支払を別々にする場合は、整理番号もそれぞれ別になります。

入場料は、1ドリンク付きで3500円、現金支払のみです。月パスを利用する場合は、ドリンク代500円だけ支払います。ちなみに、月パス利用者の同伴者の場合、通常の入場料3500円から500円割引してもらえます。

その年初めてナゴヤ座に行った日には、ウェルカムカードというものももらえるので、受付で忘れずに申告してください。これは、好きな役者さんを一人選んでサインをもらえる魔法のカードなので、もらい忘れちゃったら、もったいないオバケ出ます。

③練り歩き

現在は、昼の部前の練り歩きはなく、夜の部前の練り歩きだけあります。練り歩きとは、文字通り、その日の出演役者さん達が、演目衣装で、円頓寺商店街を練り歩くことです。

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練り歩きは、写真・動画撮影OKです! 練り歩きのある夜の部は、startの時間に練り歩きが始まって、一座が戻ってから入場が始まります。

④入場

整理番号順に呼ばれて入場します。靴を脱いで入場するので、素足にサンダルで行動することが多い夏場は靴下を持参しておくと良いと思います。自由席なので、好きな席を選んで、座布団の上に乗っている白いお菓子みたいな物体(ナゴヤ座のオヒネリです)を取って、座ってください。ナゴヤ座には最後列のベンチ席以外は椅子がなく、座布団が置かれているだけなので、好きな席を選ぶというか、好きな座布団を選ぶって感じです。ちなみに、座布団は、高低差のないナゴヤ座の客席でも皆が見やすいように置かれているので、なるべく動かさないよう気をつけましょう。

初めての方は遠慮して後ろの方に座ることも多いですが、初めての方にこそ、ぜひとも最前列に座ってナゴヤ座の凄さを体感していただきたいです! 特に、体の小さなお子様は、傾斜のないナゴヤ座の座席では、後ろの方だと見え辛い可能性があるので、なるべく前に行ってもらいたいなぁと思います。

⑤ドリンク交換

受付時にもらったドリンクチケットをドリンクカウンターに持って行って、引き換えてもらいます。アルコール(ハイネケン缶チューハイ)も選べます。ソフトドリンクは、ホットとアイスがあります。カブキカフェというだけあって、コーヒーは豆からこだわったもので美味しいです。最近、夏場はアイスコーヒーもメニューに登場するようになって嬉しい。冬場は、小腹も満たせるコーンスープが、個人的なオススメです。溢しちゃうのが心配な方は、アイスウーロン茶、ジンジャーエール、コーラ、オレンジジュースならキャップ付きペットボトルなので安心です。

⑥オヒネリガチャ

突然の耳慣れないワードですよね。ナゴヤ座では、当たっても痛くない軽い素材を不織布で包んだものを「オヒネリ」として扱っていて、演目中に役者さんが見得を切った時などに、お捻り(地歌舞伎などにある投げ銭)として投げられます。入場時に座布団の上に置いてあった白い物体三つは、お試し版のオヒネリです。

ゴヤ座には、場内と入口手前の二箇所にガチャガチャの機械がずらーっと並んでいます。その日出演の役者さんのガチャ台×2なので、ずらーっとしてます。このガチャガチャは、一回500円で回せて、カプセルの中からは、黄色(公式では黄金)のオヒネリ2つとオマケの缶バッジが出て来ます。当たりと書かれた缶バッジが出たら、ドリンクカウンターでフォトカードに交換してもらえます。つまり、オマケや当たりくじ付きの投げ銭です。

ゴヤ座の優しいところは、ガチャ台が役者さんごとに分かれていることです。つまり、推し確定で投げ銭できる(ガチャの売り上げの一部は、役者還元型です)し、オマケに推しのロゴや写真の缶バッジ(日にちに3が付く公演日には、推し直筆のサインや一言やイラストの缶バッジをゲットできる可能性もあります)がもらえ、当たりが出たら推しのフォトカードまで手に入ってしまう! しかも、このフォトカード、終演後に、役者さんが目の前でサインをしてくださるんです! なんて推し活に優しいシステムなんだ🙏✨

ちなみに、ガチャ台の近くには1000円札を500円玉に両替できる両替機も設置してありますし、ドリンクカウンターでお願いすれば、大きいお金を1000円に両替してもらうこともできます。新500円硬貨も問題なく使えます。思う存分、推しガチャ回してください。

あっ、でも、小さい文字で貼られているのでちょっと分かりにくいのですが、後ろで待っている方がいたら、3回回したら交代してください、という注意書きがあります。みんなで譲り合って推しを回しましょう!

⑦前説

開演が入場開始時間の30分後で、その10〜15分前から前説が始まります。前説の中で、ナゴヤ座独自のシステムであるオヒネリの投げ方の説明、オオムコウや全員参加シーンの練習、トイレの案内、撮影禁止(だけど、終演後には撮影タイムがあります)の案内などがあるので、初めてナゴヤ座を観劇する方は、開場には間に合わなくても、前説までには入場できると安心です。

一座の役者さんはみんな、フリートークもめちゃくちゃお得意なので、前説の段階で腹筋千切れるぐらい笑わせてくれます。なので、ぜひとも前説からたっぷり堪能していただきたいです!

前説でも案内がありますが、ここでしっかりとスマホなどの電源をOFFにするか、機内モードにしておいてください。終演後の撮影タイムまでの間に立ち上がらないと焦るので、私は、機内モードにしておくことが多いです。

⑧本編

途中15分の休憩時間を挟んで、上演時間は2時間弱です。公式では、前半40分、休憩時間15分、後半40分となっていますが、アドリブシーンも多く、楽しくなっちゃうと延びがちなので、後の予定を入れるなら、2時間ぐらいで考えておいた方が安全です。終演後にサイン対応の時間もあるので、その時間も考えると、2時間30分〜3時間というところでしょうか。

本編中も飲食自由ですが、昨今の情勢上、現在はまだ、飲食していない時以外はマスク着用が必要なので、皆、ドリンクをそっと飲む以外は、ほとんど飲食していないです。以前は、円頓寺商店街のテイクアウトメニューを持ち込んで食べながら観劇したり、ナゴヤ座内で販売されていたクズアイスバーやアイスどら焼き買って食べたりもできたので、早くそういうことがしやすい世の中が戻って来て欲しいですね…

上演中は、オオムコウ飛ばしながらオヒネリ投げると、感動をリアルタイムで伝えられてワクワク度が増しますが、初めて観劇する時は、タイミングも掴めないし(前説でレクチャー受けていても、お芝居や殺陣が凄過ぎて、オヒネリNOWランプを見ている余裕ないし、上演中に声を出すのってなかなか勇気がいります)、咄嗟に役者さんの名前が出て来ないしで、オヒネリ握り締めたまま演目が終わってしまうことの方が多いです。だけど、安心してください。オヒネリ投げるタイミングは、ちゃんとあります。ラストシーンの暗転後に、出演者が一人ずつ出て来て見得を切ってくれるので、ここで、気に入った役者さんに思いっきり投げちゃってください! オヒネリは軽い素材なので、4列目やベンチ席からだと届かずに前列のお客さんに当たっちゃうことも多いですが、お互い様なので気にせずにいきましょう。

⑨写真撮影タイム

カメラや携帯の電源入れてくださいのアナウンスがあってから、ナゴヤ座からの宣伝や、退場時のドリンクの空きカップの捨て場所、サイン対応についての案内があります。その間はまだ撮影NGで、役者さん達が皆舞台の真ん中に集まって「撮影スタート」の掛け声があってから、撮影OKです。舞台上手から下手に向かって、10カウントでゆっくり目線を移動して写真を撮らせていただけます。

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後ろの方からだと撮り難いこともありますが、上手いこと隙間産業してカメラに納めてみてください。私は6年以上通ってもなかなか上手く撮れないのですが、観劇記念なので、前の方の頭が入っちゃっても、大切な宝物です☺️ 撮りたい気持ちが昂ぶり過ぎて、スマホを自分の頭より高く上げちゃうと、後ろの方が何も撮れなくなっちゃうので、そこは気をつけて自重しましょう。譲り合いの心が、楽しい観劇時間を作ります!

⑩サイン対応

終演後、客席の退場が終わった後、私服…じゃないな、自前の和装姿に着替えた役者さん達が降りて来て、ナゴヤ座前でサイン対応をしてくれます。粋な着こなしから和洋折衷のオシャレな着こなしまで、イケメンの和装姿を拝見できるだけでも尊いです。ありがとうございます🙏

サインをしてもらえるのは、ウェルカムカードか、ガチャの当たりで引き換えたフォトカードのみです。日によって案内があったりなかったりするのですが、基本的に、ウェルカムカードへのサインが先で、その後、フォトカードへのサイン対応という流れのようです。なので、ウェルカムカードにサインをしてもらう方は、役者さん達が降りて来るまでに、誰にお願いするかを決めておかなきゃいけないんです。悩みますね…! だって、全員ステキだから!

同じ役者さんにサインしてもらいたいフォトカードが複数枚ある場合は、同時に出してサインしてもらいます。フォトカードへのサインは、次にナゴヤ座来た時にお願いしてもOKなので、複数枚当たりが出せた時は、次回に取っておいても大丈夫です。

サインしていただいている間に感想などをお伝えできるのですが、さっきまで板の上で凄いお芝居や立ち回りをされていた方が目の前にいると思うと緊張して頭が真っ白になってしまい、「カッコ良かったです」以外の語彙が消失します。6年以上通っても、全然ダメです。毎回推しに新鮮にときめいて、口から言葉ではなく心臓が出そうです。

だけど、そんな貴方に朗報です! ナゴヤ座にはお手紙BOXが設置されているので、後日感想をしたためて投函することができます。遠方だったりなかなかナゴヤ座に行けない方は、郵送でも受け付けてくれています。なお、お手紙以外の差し入れは、現在NGです。解禁が待ち遠しいです。ソワソワ。

サイン対応中の写真・動画撮影は、明確なルールは出されていないようですが(私が見逃しているようだったらごめんなさい)、役者さん達が順番に降りて来て、「サイン対応スタート」と言うまでの間、サイン対応が終わって挨拶をして帰る時、は撮っても良い感じです。他のお客様のサイン対応中に撮るのは、マナーとしてやめた方が良いかな、と思います。トラブルになっちゃったら悲しいですしね…😖

ちょっぴりじゃない分量になった…!

 

名古屋山三郎一座座員】

現在の一座のメンバーを一言ずつで紹介してみます。一人一人たっぷり語りたいので、それは、また別記事で書こうと思います!

ちなみに、ナゴヤ座の座員さん達は、皆、名古屋〇〇というお名前を名乗ってみえます。外部の舞台に出演される際は、ナゴヤ座での芸名を使う方も、本名(元々役者業で使っているお名前)を使う方もいますが、ナゴヤ座名を使うと、皆、苗字が「名古屋」になってしまうので、スタッフの方とかに「名古屋さん」と呼ばれていて、ふふっとなります。

色とりどりのイケメン勢揃いなビジュアルは、こちらでご覧ください(http://nagoya-za.com/cast.html)! ナゴヤ座様、ショータさん、サンジャクさん、タロウさんのカッコ良お写真も何卒お願いします🙏

 

名古屋山三郎(サンザ)さん→ナゴヤ座座長。座員カラーは紫。名古屋山三郎の名を冠するに相応しい美男子。お芝居も妖怪的身体能力を活かした立ち回りも唯一無二。

名古屋山之助(サンスケ)さん→ナゴヤ座副座長。座員カラーは赤。頭がキレて視野が広いから、主役を演じてもイベントの司会をしても頼もしさが半端ない。ホスピタリティもバリ高。

名古屋参駄右衛門(ダエモン)さん→座員カラーは茶。ナゴヤ座最年長にして、最大の破壊神。熟練の丁寧なお芝居の頼もしさと、演目外での傍若無人っぷりのギャップで皆を落とす。

名古屋参九郎(サンキュー)さん→座員カラーは黄。ダエさんの綱を握れる唯一の人。優しい笑顔と人柄で皆を癒す存在だけど、声色一つで舞台を転換させるお芝居は背筋をゾクッとさせる。

名古屋参十坐(トウザ)さん→座員カラーは灰色。プロデューサーの顔を持つだけあり、役柄の自己プロデュース力もイベントの企画力も凄い。マメな気配りでファンも仲間も惚れさせる人。

名古屋虎三郎(トラザ)さん→座員カラーは金。ナゴヤ座の殺陣師。アクションコーディネーターとしての舞台全体の絵を見通す視野の広さも、アクションの技術の高さも、役を憑依させたお芝居もゾクゾクする凄さなのに、板の下に降りるとほんわか優しい、めっかわな絵を描くお兄さん。

名古屋虎之助(トラスケ)さん→座員カラーは銀。トラザさんの相方。日舞で磨いた美しい所作と、アクションマンのスキルを融合させた立ち回りの華麗さは圧巻。どこの引き出しが開くか予想のできないお芝居のトラスケさん節は、まさに天才。

名古屋参永已(サンエー)さん→座員カラーは橙。シュッとした外見からは想像もできない爆発力のお芝居と、獣味を感じる殺陣を見せる魔術師。どんな役でも自分のものにしてしまう底知れなさがある若手組のホープ

名古屋参十郎(ジューロー)さん→座員カラーは青。生来の人の良さが役柄にも滲み出て、主役を演じれば皆が応援したくなる陽の気に溢れ、悪役を演じれば切なさを帯びた色気が漂う。どんな無茶振りにも応えてくれそうな頼もしさがある。

名古屋参笑太(ショータ)さん→座員カラーは緑。お笑い芸人さんがナゴヤ座好き過ぎて座員入りしちゃったという特殊ルート。だけど、ナゴヤ座愛も芝居愛も誰より熱い努力家。不可能を可能に変える力を感じる。

名古屋参雀久(サンジャク)さん→座員カラーは水色。ゲスト出演歴もナゴヤ座滞在時間も長過ぎて、もはや誰もがゲストだということを忘れかけていたタイミングで正座員入り。誰より頼もしい新座員という設定バグが起きている。

名古屋参太郎(タロウ)さん→座員カラーは白。座長に弟子入りを志願した強者。その猛者っぷりに相応しい舞台度胸と芝居技術に、研修生という言葉の概念が揺らぐナゴヤ座研修生。

 

楽しくなって来ちゃったので、オマケのゲスト紹介。

村井雅和さん(オオムコウは、「ビースト!」)→ゲストでありながら、演目のタイトルになっている役を演じたこともある頼もしい漢。お芝居もアクションもプロ中のプロ。渋い見た目にも頼もしさが溢れているけど、実は結構お若くて、娘ラブの可愛いパパ。

水谷健さん(オオムコウは、「みずたにさん!」)→現サンジャクさんに継ぐゲスト歴を持つナゴヤ座のお父さん。アクション界のレジェンドであり、ナゴヤ座最強のヒーロー。無茶振りをしても「良いっすよー」と引き受けてやり遂げてしまう凄い人。

山本のぼるさん(オオムコウは、「もっちゃん!」)→ナゴヤ座の愛されキャラ枠ぶっちぎり一位! もっちゃんにしかできない味付けされた雷蔵親分に、みんな恋をしました。YAJIKITAへの出演はまだですか?

藤田誠樹さん(オオムコウは、「セイキ!」)→ダンスも立ち回りもできちゃう爽やかイケメン! だと思っていたら、YAJIKITAへのゲスト出演で新たな顔を見て、印象がカッコイイお兄ちゃんからカッコ良くて面白いお兄ちゃんに変わりました。ユーモアのある男はモテるは、真理です!

YAJIKITA1〜浮世道中夢ん中之巻〜(2023.2.24夜)

東京から凱旋された名古屋虎三郎(トラザ)さんの久しぶりのナゴヤ座出演、そして、久しぶりに虎屋のお二人が揃った公演👏

ゲストは、キッズハートの藤田誠樹さん✨

前説は、体調復活された名古屋参永已(サンエー)さんと名古屋参笑太(ショータ)さん。ショータさんの思いもよらない言葉選びと、サンエーさんのツッコミ(淡々としているかと思いきやいきなりギア入ってジャンピングキック)との組み合わせ、最高でした。演目始まる前からめっちゃ笑った!

 

弥次さん→名古屋参駄右衛門(ダエ)さん

喜多さん→トラザさん

 

【暗闘の宿】

護摩の灰(兄ぃ)→名古屋虎之助(トラスケ)さん

護摩の灰(南)→名古屋参太郎(タロウ)さん

護摩の灰(かっちゃん)→ショータさん

宿屋の主人→サンエーさん

 

ダエさんもトラザさんも、暗闇の中の表現力がめちゃくちゃ上手いんですよね…見えない壁がちゃんと見える。お芝居の丁寧さにハッとします。

それはそれとして、壁におでこゴチンしちゃうトラザ喜多さんがめちゃくちゃ可愛かったです。

あと、弥次さんを、不思議なメロディーで認識しているところも、可愛いです。いつか、トラザ喜多さんを、「ティロリティロリ♪🍟」で呼び寄せる弥次さんが現れたりしないかなぁと、密かに期待しております。

 

トラスケさんのおとぼけ兄ぃがめちゃくちゃ面白かったです! 当たらない肘攻撃の時の顔がツボに入っちゃって、腹筋が😂 あのなんとも言えない可愛さを表現できる語彙力が欲しい…

 

トラザ喜多さんのゲラゲラポー様の声音の使い分けが、とても好きです。

地を這うような低い声から、ちょっと喜多さんが出ちゃってる舌っ足らず気味な声、楽しくなって来ちゃってる「ゲラゲーラゲラゲーラ…」の鳴き声?、去り際の悪戯っぽい「さよならポー」、トラザさんの声の魅力をフルコースで味わえる贅沢さ!

 

護摩の灰に100tハンマーでトドメをさす時に、トラザ喜多さんが、瞬間的に床にペタン!と寝て避ける動き、身体能力の高さを感じて、感動します✨

 

【腹痛の宿】

宿屋の主人→トラスケさん

医者→タロウさん

産婆(おシカ)→サンエーさん

坊主(運珍)→藤田誠樹さん

 

「弥次さーん、災難ー、腹痛のぉやぁどぉぉぉ」を歌い切った後のトラザ喜多さんの満足気な笑顔が、百点満点可愛いです!

 

ヤジキタでは珍しいシュッとしたイケメン枠である腹痛の宿の主人を、めちゃくちゃクセ強いキャラにしてしまうトラスケさん、さすがでした。開始早々、情報量過多です!

サイの角って、おでこじゃなくて、鼻に生えてるんじゃ…? と思ったら、二本角のサイは、鼻とおでこ両方に生えてるんですね。そして、あの角は毛なんですね。思わぬ知識を得てしまいました。

 

タロウさんのお医者さん、しばらく観ないうちに、更にパワーアップしてるー!

登場から全力で喜多さんを振り回す姿に、めちゃくちゃ笑いました。脈を取るのに、二本指を手首の内側にスリスリ滑らせて、喜多さんを、「スリスリやめろ!」と本気で嫌がらせてるの、笑いのダメ押しでした。腹筋、割れちゃう😂

自分で試してみたんですが、スリスリ、めちゃくちゃくすぐったいですね。ぞわぞわするー!

 

サンエーさんのおシカさんは、もう名人芸の領域だし、誠樹さんの運珍さん、動作一つ一つで腹筋を殺して来る!

今回、やっと誠樹運珍さんが観やすい場所に座れたんですが、メリーゴーランド弥次さんのシーンで、寝そべってタバコふかしてるの、最高でした! なんて、ナイスな生ぐさ坊主っぷり!

あと、木魚のリズムが天才的でした。

それにしても、ナゴヤ座は、イケメンゲストさんに、なんてことをやらせるんだ😂 それを全力で演っちゃう誠樹さん、好きです。

 

そして、最後に全部持って行っちゃうトラスケ主人、最強でした。こんなの、勝てない…っ

若干素の長谷川さんになって背中震わせてるトラザ喜多さんがめっかわでした。

 

【川越人足銭渡し】

人足(豪傑組子分)→サンエーさん

人足(豪傑親分)→藤田誠樹さん

人足(雷蔵組子分)→トラスケさん

人足(雷蔵親分)→ショータさん

 

ダエ弥次さんの振り幅に、いつも感動しちゃいます。あんなに粋で鯔背な男前なのに、水をかけられた時、本気で人様に見せちゃダメな顔してるところが、最高です😂

 

誠樹親分のダンス、やっぱり凄い! どうやったらあんな風に胸を動かせるんだろう? マスクのCGみたい…

それに張り合うショータ親分の、できてないドックンドックン、ジタバタステップからの、「アンタ教えなさいよ!」の流れ、めちゃくちゃ笑いました! 多分、この二人、仲良しだ!

 

細身コンビの子分ズの、バチバチと言いながら、実はあんまり攻撃しあってないところも可愛かったです。きっと、この二人も仲良し!

 

ダエ弥次さんのオギャー!がロックボーカルのシャウトみたいに進化していて、びっくりしました。

 

【夢の宿】

鎌倉権五郎→トラスケさん

腹出し→藤田誠樹さん、ショータさん、タロウさん、(ダエさん)

 

誠樹さん腹出しが、ムズムズで遊ぶパターン、初めて観ました! 誠樹さんが作るリズム、すごいクセになりますね。ずっと聴いていたくなる「ムーズムズ!」でした。

 

そして、トラスケさんの鎌倉権五郎ー! めちゃくちゃ観たかったので、念願叶ってガッツポーズです!

トラザ喜多さんの「髪型も衣装も似合ってないしよー!」というぼやきに反応して、「ただの悪口じゃん!」と反論する権五郎、トラスケさんの素顔というか、鎌倉権五郎を演じる役者の素顔が覗いている感じで、こういう設定の見せ方の匙加減が本当に上手いなぁと思いました。

トラスケさんの天才さって、お芝居の作り込みの丁寧さに宿っている気がします。

 

トラザ喜多さんのつらね啖呵を切るシーン、夢のようにカッコイイです! 何回観ても、一目惚れしてしまうカッコ良さ…久しぶりに観れて嬉しかったです!

面白いに振った演目、役柄の中にも、ドキッとするカッコ良さを出して来る、ナゴヤ座の魅力ってこういうところにあるんですよね。ズルカッコイイ! 大好き!

 

そして、喜多さんと鎌倉権五郎が対峙する絵に、感動して泣きそうになっちゃいました。一つ一つの立ち回りの動きが、やっぱり、最高に綺麗…一コマずつ脳内フォルダに保存したい…

虎屋のお二人の立ち回りが観れる日々が戻って来たんだなぁと改めて実感して、涙が…

わぁーん、嬉しい! トラスケさん、おかえりなさい!!!

 

トラスケさんの鎌倉権五郎の回転は、バレエのスピンみたいな美しさでした!

演じる役者さんによって、回転の種類が全然違うので、毎回感動します。トラザさん権五郎の体幹の凄さが分かるブレない高速回転も、座長権五郎の歌舞伎み溢れる回転も、全部凄い!

 

最後の決め技が、弥次さんから喜多さんの担当になってから初めて観ました。

トラザ喜多さんの聖闘士星矢の本物感がすごかったです。パロディのはずなのに、本物でした!

 

夢から覚める時のトラザ喜多さんの寝汚さが最高にツボでした。白目でえずいてる顔、可愛くないところが可愛くてときめいちゃいました😂

劇団丸組 新山猫最終章感想

山猫達が生きる世界にどっぷり浸って、すごく濃密な夢を見たような四日間でした。

 

劇団丸組さまの公演を観るのは今回が初めてだったので、最終章から観て話に付いて行けるのか不安でしたが、最初に今までの山猫ときりの旅路を映像で説明してくださるホスピタリティのおかげで、すんなりとストーリーに入って行けました。前作の斎藤一と竹子が背中合わせで戦うシーンがカッコ良すぎて、映像だけで若干泣きました。早い!

スッキリと解りやすいストーリー展開で、こうだったら熱いな!という伏線が、めちゃくちゃカッコイイ形で回収されて、ままならない切なさに涙して、全力で生きた先にある光に勇気をもらえる、明日へのパワーをもらえる作品でした。

こんなの見たことない!という興奮をくれるアクションと、どの役にも生きて来た道のりが見えるお芝居と、カッコイイところで最高にカッコイイ絵が作られる照明と、バチッとハマった音楽や効果音。

様々な世界で第一線で活躍されるスペシャリストの方々が作られる舞台の凄さに圧倒されました。

丸さんをはじめ、カッコイイを作られるプロが集まると、こんな作品ができてしまうのかと震えました。

 

出演された役者さん全員のファンになっちゃったので、一人ずつ語らせてください。

 

鞍馬山の山猫【丸山貢治さん】

丸さんがかっこいいことは、皆が知っている事実なので、かっこいいところを語ろうと思ったらいつまでも尽きずに出て来てしまいますが、息継ぎ一つするのにも激痛が走る肉体を気力だけで動かして、最後まできりを守るために生きようとする姿が、本当にかっこよかったです!

義豊とのお芝居のぶつけ合いは、心臓がギュウゥ…と潰れてしまいそうな切なさでした。

そこまでが本来の力を出し切れない闘い方だった分、神刀の力で万全の肉体を取り戻してからのバッチバチの動きのかっこよさがとんでもなかったです。十二支を次々にぶった斬る速さも、西郷との一騎打ちの迷いの無い剣の強さも、最高に興奮しました。

ラストシーンの山猫は、娘を失って心を閉ざす前の姿に戻ったんだと思って観ていたのですが、その姿が、丸さんそのものの優しさとエネルギーを感じるもので、胸が熱くなります。

こんなお日さまのような方が近くに居たら、絶対に好きになるし、力になりたいと思うな!と確信しました。

千秋楽後の挨拶で、丸さんの人間としてのかっこよさを感じて、めちゃくちゃもらい泣きしてしまいました。

甘く整ったお顔立ちで、等身バランスも良くて、心臓を震わせるお芝居をされて、バッチバチに動ける多彩なアクションをされる。それだけで完璧にかっこいいのに、更に、脚本も演出も衣装作りもその他にも裏方のお仕事もこなされて、めちゃくちゃ疲れているだろうに、周りへの気遣いと感謝を忘れない…魂まで「#丸さんかっこいい」です!

 

きり【田中千空さん】

誰よりも綺麗な魂を持っているという言葉が、こんなに似合う方はいないだろうな、と思います。

最初に観た回からそのお芝居にぐっと胸を打たれて泣かされましたが、回を重ねる毎に、仲間を呼び集めるシーンの言葉の通りや力強さが増して行くので、千秋楽では一番ボロボロ泣いちゃいました。

山猫ときりは、二人で一つのヒーローだと思います。

丸山さんと翁長さんというプロ中のプロのお二人の立ち回りだから絶対大丈夫だと解っていても、自分を挟んで交錯する剣の中、二人を信用して大丈夫な姿勢を保って動ける恐怖心のコントロール力も、さすがでした。

どんな時でもお芝居を止めてしまわないプロ意識も、めちゃくちゃかっこよかったです。

可愛いだけじゃなくて、芯の通ったかっこよさも持つステキな女優さんです!

 

義豊【安田桃太郎さん】

ずるい! かっこいい! こんなん皆好きになっちゃう! ずるいー! かっこいいー!

というのが初めて観た時の感想で、千秋楽まで観た感想も全く同じです。いやー、本当に、桃さん、めちゃくちゃかっこいいですね…!

今まで桃さんのお芝居を観たのが、ナゴヤ座にゲスト出演された時以外では、おっきな舞台で演じられるのを双眼鏡で観る、という感じだったので、今回、息遣いや細かい目の動き、表情の作り方まで見て取れる距離で観て、お芝居の巧さに痺れてしまいました。

めちゃくちゃ張っている感じではないのに、台詞全部がクリアに耳に入って来る声も、正体に繋がる細かい伏線を張って行く丁寧なお芝居も、大きな舞台にも立たれるプロの凄さを実感しました。

そして、アクション! 南さんの申との立ち回りの強者対強者!という迫力が空気をビリビリさせて、背筋が痺れました。

最初は無かったと思うのですが、「今だけはその名前を返上させてもらう」の前に山猫の「義豊!」という呼び掛けが入るようになって、あのシーンのかっこよさが更に増した気がします。

あと、アフタートークやカテコで、座長の丸さんをフォローする上手さに、なんて仕事ができる方なんだ! と感動しました。さすが社長…!

 

リムセ(マナ)【さかたりささん】

登場すると周りの空気が澄んで行くような、透明感のある女優さんだなぁと思いました。

生き残ったアイヌの民達の中で、年長の自分が皆を守らなければという重い責任を担い、自分の身の安全や望みは後回しで皆を救おうとする姿は、影武者などではなく、神の巫女としての尊さを感じました。

そんなマナが、義豊のことだけは諦められないところが、とても愛しいです。

アクションではなくお芝居で強さを見せてくれるかっこいい方でした。

 

リナリ(リムセ)【村山優香さん】

めちゃくちゃ可愛い女優さんがいらっしゃる! とびっくりしました。ウルトラマンシリーズのヒロインでいらっしゃると聞いて、納得しました。可愛い。そして、かっこいい!

義豊に「神の姫巫女らしくぶちかませ!」と言われた後の決戦の火蓋を落とす言葉、めちゃくちゃかっこよくて、痺れます。こういうの、めちゃくちゃ好きです。かっこいいところにバシッとかっこいいが来る脚本を、最高にかっこよく演じられるの、たまらないです。

なのに、カテコやアフタートークになった途端、ふわっふわ可愛くなるので、ときめいちゃいました!

 

カナタ【豊田ルナさん】

めちゃくちゃ可愛い女優さんがいらっしゃってびっくりしました二人目です!

ウルトラのヒロインが二人もいる座組、本当にすごいですね…!

カナタのちょっと浮世離れした無邪気さが、あまりにも自然に似合いすぎて、初回観劇時はその正体に全く気付けませんでした。可愛いから可愛い仕草が普通に似合ってしまうんです!

十二支の時が止まっている中で動くカナタが、巳の刀を指でヒョイって退けるところがとても好きです。

正体を明かしてからの神刀に相応しい台詞の凛々しさに、うわー、強いー! とドキドキしました。

 

セダイ【大林ちえりさん】

アイヌの女の子二人組の性格の違いがバランス良くて、毎回ニコニコして観ていました。セダイの一人称が「うち」なのが、個人的にツボでした。

普通の女の子だけど、アイヌの生き残りとして自分がやらなければならないことをやる覚悟は固まっている。普通に生きる人の強さを、セダイとオタニから感じました。

活発で向こう見ずなところがあるけれど、仲間を思う気持ちは人一倍強いセダイの明るさが、義豊の世界の光の一つになったんだろうなぁ。 

 

オタニ【阿須賀みのりさん】

声がめちゃくちゃ可愛い! と思っていたら、声優さんだと聞いて納得しました。オタニが喋る度にキュンキュンしていました。その可愛い声で日替り十二支献立を聴けるのが密かに楽しみでした。千秋楽に巳さんの唐揚げが出て来てガッツポーズです。

おっとりしたオタニの雰囲気とふわふわ柔らかな笑顔は、癒しでした。

 

丑【坂口俊昭さん】

おっきい刀には夢が詰まっている!

その刀を担いでスクワットする登場シーンから、丑さんの存在感にワクワクしていました。

イヌイの跳び蹴りを受けるアクションの時に、受ける刀を構える角度が毎回完璧で、それがあの高い蹴りのかっこよさを最大限に魅せているんだと感動しました。

イペタム顕現の静止シーンで、構えた角度を変えずにピタリと止まっているのがすごいなぁと見惚れました。

 

寅【橋渡竜馬さん】

信仰?の関係で、トラさんというだけで、親近感というか、応援したくなってしまう体質なのですが、その底上げが無くても、魅了されてしまう凄いアクションを観せていただきました!

トラザさんが上げていた新山猫最終章告知動画のトランポリンアクロバットが、このシーンで出て来るんだ!と、めちゃくちゃワクワクしました。

辰と寅の回転ジャンプ、最高にかっこよかったー!

イケメンだしアクション凄いし、視線を引き付ける華があるしで、気付くと目で追ってしまいました。

獲物に飛び掛かる寸前の虎を思わせる低い体勢の構えが大好きです!

 

辰【宮永裕都さん】

やる気があるのかないのか、何を考えて十二支に属しているのか、掴めないキャラクターが、空想の動物である龍らしさを感じさせて、観る度にじわじわと惹かれて行く不思議な魅力がありました。

良く喋る分、あんまり怖くないのかな? と思わせておいて、抵抗するリナリを連れて行く時に見せる底冷えする眼に、ゾクッとします。

辰の「りょーかい」が、とても好きで、あのポーズを脳内でリピート再生しちゃいます。

刀二本の使い方も、それを構えて高いジャンプで降りて来る姿も、アクションの動きの一つ一つがめちゃくちゃキャラが立っていて、すごく魅せられました!

 

巳【名古屋虎三郎さん】

私は、トラザさんのアクションが世界一かっこいいと惚れ込んでいるので、今回、凄いアクションマン、スタントマンの方々の中で、バッチバチに暴れる姿を拝見できるのを、公演情報が公開された時から、ずっとワクワク楽しみにしていました。

巳のビジュアルが公開された時には、あまりにもセクシー過ぎて動揺しました。どんなキャラクターなのか全然想像できずにドキドキしていましたが、良い意味でめちゃくちゃ予想外の巳さんが出て来て、すごく楽しかったです。

申さんとの妙に艶っぽい空気をどういう風に捉えれば良いのか最初混乱しましたが、ともすればオネエキャラになってしまうところを、絶妙な匙加減で「心が女性」であることを解らせるお芝居に、トラザさんの巧さを改めて実感しました。声の使い方がめちゃくちゃ上手い…そして、すごく良く通る…!

BRATSさんと立ち回りで絡むところを観れたら嬉しいなぁと夢見ていたんですが、熊倉さんの斎藤一とのバッチバチの斬り合いが観れて、毎回、めっちゃ感涙しました。ありがとうございます…っ!

トラザさんの当てて行く蹴り技を観れたのも、すごく嬉しかったです。めちゃんこかっこよかったー!

トラザさんのかっこよさをいっぱい浴びまくれて、最高に幸せな四日間でした。

 

午【石川真之介さん】

朴訥とした存在感が、馬っぽくて良いなぁと思いました。

ギャロップするようなステップとか、走り抜ける斬り方とか、動きの端々に干支の特性が出ているのは、スーツアクターさんとして活躍されている方ならではの上手さなんだろうな、と思いました。

汚し加工をしたようなメイクも相俟って、影みたいに佇んでいるのに、大人数が絡む立ち回りになると凄く良いポジションに浮き出して来る感じ、かっこいいです。

 

羊【安川桃香さん】

十二支の中で刀を持って戦う唯一の女性アクターさん、すごくかっこよかったです!

ふわふわ真っ白な衣装と、くるんと巻いた角みたいなヘアアレンジの可愛さと、バッチバチに刀を交わす立ち回りの鋭さのギャップが、すごく良いです。

イヌイとの闘いの場面、手に汗を握る迫力なのに、師として慕う相手と戦わなければならない切なさも感じて、涙腺にじん…と来ます。

イヌイと羊との関係、申と巳との関係に似通ったものを感じるのですが、十二支間で後輩を干支が二個上の先輩が育てるような制度があったりするんでしょうか?

 

申【南誉士広さん】

悪い男を演じる南さん、なんだかグッと来るものがありました。巳を可愛がっているように見せつつ、いざとなったら捨て駒にできてしまう猿ならではの狡さ、かなり好きです。

かっこいい衣装に赤い爪が映えるビジュアル、とても良かったです。巳の色っぽさも引き立てる爪色、天才でした。ありがとうございます。

申の納刀が毎回かっこよかったです。それと、一番上のセットから二段目に飛び降りる時のドン! という迫力も最高に痺れました(アフタートーク?の時は最上段から床まで跳んでいらっしゃって、度肝を抜かれました)!

今回、申と義豊が斬り合うシーンが多く、南さんと桃さんのバッチバチの殺陣をいっぱい胆嚢できて嬉しかったです。音ハメの立ち回り、何度観ても鳥肌たっちゃうかっこよさです!

 

酉【神村風子さん】

声の使い方の上手さに、鳥肌が立ちました。

オープニングの穏やかなナレーションから不穏さを感じさせる語り掛けへのグラデーションのような変化、毎回ゾクゾクしました。

黒いロングドレスの似合う妖艶な美しさは、全ての黒幕に相応しい人離れした存在感を持ちながら、カナタと対時した時に見せる嫉妬心には人臭さも感じて、俗世に流れたイペタムの姿だというのが、とてもしっくりと納得いきました。

自分が酉年なので、なんだか思い入れを抱いてしまっていたキャラクターです。

 

斎藤一【熊倉功さん】

渋みのある男の色気というのを絵に描いたら、熊さんの姿をしているんだろうなと実感しました。

寅を突きで倒してからのスパーッは、歴史に残るカッコ付けだと思うのですが、あれを純度100%のかっこよさで演れるのは、熊さんだけだと思います。

オープニングのあらすじ映像の斎藤一の命を懸けて闘う姿に涙腺をやられてしまったので、劇場版山猫を観れる日を楽しみにしています! あのシーン、めちゃくちゃ観たい!

箱館戦争後の斎藤一土方歳三が出会うという状況だけで感動してしまうのに、羽織を渡して和泉守兼定を抜かせ、並び立って闘う姿なんて見たら、泣かないわけないじゃないですか…

申と巳を倒した後、誠の字を前に並んだ背中、最高に胸熱でした。

アフタートーク…じゃなくてアフターアクションで、はちゃめちゃに渋カッコイイ斎藤一のビジュアルのまま、大刀を振り回すIQ2のボスになってしまった振り幅を見て、更に熊さんのことが好きになりました!

 

中野竹子宮原華音さん】

こんなにかっこよくて美しい女性がいたのか…! という衝撃を受けました。

小さなお顔に長い手脚の立ち姿だけで美しさに圧倒されてしまうのに、薙刀捌きや繰り出される蹴りの華麗さに見惚れました。薙刀が先に飛んで来る登場シーンも、めちゃくちゃかっこいいし、「義によって助太刀いたす!」の台詞も、最高にかっこいいし、こんなの惚れてしまわないわけがないです!

このアクションをもっともっと観たいので、劇場版山猫でその夢が叶うことを期待しております!

巳にとどめを刺す蹴りの強さに、ときめいてしまいました。

 

神保雪子【長谷川みなみさん】

千秋楽のカテコ挨拶で、アクション経験がなかったと聞いて、めちゃくちゃびっくりしました。

すごく綺麗な剣捌きだし、まき子と一緒に敵を倒す場面の斬り抜いてピタリと決める動き、すっごくかっこいいし、バリバリ立ち回りやっている方だと思って観ていました。

凄いアクションマンが揃った座組の中で、短期間でこれだけの殺陣を身に付けられたんだと思うと、感動してしまいます。

ラストシーンの斎藤一とのやり取りが、とても好きです。雪子さん、美人だから、見たらストレートに美人だって口から出ちゃいます!

 

依田まき子【五味涼子さん】

開幕前のTwitterや南さんの番組で話題に出ていた五味さんがバッチバチの立ち回りをするシーン、観るのを楽しみにしていました。

実際観て、想像を数段上回る動きに、瞬きを忘れて見入ってしまいました。

女性でこんなアクションが出来ちゃう方がいらっしゃるのか…と衝撃を受けました。

すごく若く見える可愛いお顔立ちをされているから、そのギャップにもやられてしまいました。

お酒好きそうなところも大好きです! 開幕前インスタライブは完全に寝落ちていて気付けなかったので、次回があったら、絶対覗かせていただきますー!

 

沖田林太郎【進藤ひろしさん】

渋かっこいいー! 信念を持って生きる侍そのもののお姿、味方にいたらすごく頼もしい方だと思いました。付いて行きたいリーダーです。

お蝶とのやり取りにちょっとしたお茶目さを感じるところも好きでした。

敵の刀を奪ってからの二刀流、めちゃくちゃかっこよかったです。

穏やかで艶のある声の「御用改めである」素敵だったなぁ…

 

お蝶【榎堀まやさん】

めちゃくちゃ可愛い女の子が、華麗な棒捌きで戦う姿、最高にワクワクしました!

長物を扱いながら、あんなに身軽に立ち回れるの本当にすごい。可愛くて強いって、最強ですね…!

お蝶が、きりのことを「お嬢様」と呼ぶの、すごく好きです。お蝶ときりとの今までの絆を観たくて仕方ないので、やっぱり劇場版山猫に期待です。

「行き遅れましたー」からの全く笑っていない目が、怖くて最高でした。そんなところも含めて、お蝶さん、大好きです!

 

イヌイ【大久保洸成さん】

敵だった相手が、仲間になって手を貸す展開、皆大好きな胸熱なやつー! と心の少年がスタオベしちゃいました。

一番ピンチな状況で、炎と共に登場して、更なる強敵の出現に絶対絶命かと思わせておいて、助けに入る…めちゃくちゃかっこいいやつです。大好きー!

胸ぐらを掴み上げての「山猫ー!」の声に、「お前ほどの男がこんなところでくたばるな!」の声が重なって聞こえました。胸熱…!

イヌイと山猫の闘い、観たかったなぁ…

十二支最強を体現するアクション、本気で一瞬も瞬きできない動きとスピードで、心拍数がやばいことになりました。今まで私が観て来たお芝居では、飛び掛かって脚を巻き付けて倒すアクションを見たことがなかったので、本気でドキドキしました。手汗がやばい…

そんな最強の男が、西郷相手にはまるで歯が立たず、ぼろぼろになっても掴み掛かって行く闘い方をするの、ものすごく涙腺に来ました。西郷とイヌイは、同じ理想を夢見た友だったんですね…最強の存在の心の柔らかいところを見せられてしまうと、本当にダメです。絶対泣いちゃいます。

一度、羊との斬り合いの中で刀が落ちちゃうことがあったんですが、元々そういう立ち回りだったような最高にかっこいい体術で戦いを成り立たせていて、プロのリカバリー力の高さにも度肝を抜かれました。コンマ0秒の判断力でお互いの動きを合わせる凄い世界を垣間見ました。

 

西郷隆盛【扇長卓さん】

最後の力を振り絞って敵を倒した! と思ったところで登場するラスボス。佇まいだけで格違いの強さを感じさせる存在感の重み、さすがでした。

渋かっこよくて、バチバチに動けるアクターさんが何人もいらっしゃる座組の層の厚さ、本当にすごいですね。

イペタムが二対になったのは、新山猫版での初設定と聞きましたが、最後の闘いに相応しい西郷と山猫の一騎討ちが観れる展開、めちゃくちゃ好きです!

間にきりを挟みながらの立ち回りを安全に成立させてしまうプロ同士の技、圧巻でした!

 

密偵【蚊野塁さん】

これだけのアクション盛りだくさんの舞台で、斬られ役として入るのが二人だけなのは、少ないような気がしたのですが、そんなことを感じさせない動きで、どの場面も最高のかっこよさを作り上げていらっしゃったの、凄いなと思います。

前半、巳が引き連れて出て来るシーンが多いので、密かにポーズをリンクさせている密偵が可愛いなぁとニコニコしちゃいました。

 

密偵【奥平祐介さん】

あわあわ慌てた動きをしたり、味方の足を引っ張っちゃったり、シリアスな場面にくすりと笑えるコミカルさを添えたり、そのシーンのオチを付けたりと、個性の立った密偵に、ついつい視線を引かれてしまいました。

斬られ役としての上手さは勿論、いろんな舞台でアンサンブルを務めて身に付けた経験値を感じました。

名古屋の役者さんだというのがとても誇らしいです!

YAJIKITA2〜地獄道中閻魔戯之巻〜(2023.1.22昼)

【配役】

弥次さん→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

喜多さん→名古屋参九郎さん(サンキューさん)

閻魔王名古屋山三郎さん(サンザさん)

奪衣婆、人頭幢、人呑鬼→名古屋参永已さん(サンエーさん)

牛頭、腹の虫→名古屋虎三郎さん(トラザさん)

馬頭、腹の虫→名古屋山之助さん(サンスケさん)

懸衣翁、卯頭、腹の虫→名古屋参太郎さん(タロウさん)

 

ゴヤ座の腐れ縁、ビジネス不仲コンビことダエキューの弥次喜多! 再々演でのサンキュー喜多さん初日に、この組み合わせを持って来るとは、さすが、皆の夢を叶えてくれる場所、ナゴヤ座です!

ダエさんとサンキューさんの呼吸の合わせ方の上手さは、さすがでした。オープニングのガンダーラで、高音パートを歌ってハモるサンキューさん、歌が上手い! ダエさんのメインパートも流石の上手さで、このリサイタルを聴けただけで3500円(ナゴヤ座のチケット代)の価値ありです。良いものを聴かせていただきました。

サンキュー喜多さんは、他の喜多さんとは違う白地に紺の模様の着物を着ていて、おちょんぼ丁髷を結う黄色のゴムとの色合わせが天才でした!

色合わせといえば、弥次さんと喜多さんが折り模様の違う同じ山吹色の帯を締めていらっしゃるの、微笑ましくてニコニコしちゃいました。

 

そして、この日は、久しぶりのトラザさん牛頭とサンスケさん馬頭のコンビ! この二人が獄卒だと、サンザさん閻魔の鬼上司っぷりが本領発揮していて、うわー、懐かしい地獄の空気だーと嬉しくなりました。かくれんぼ牛頭馬頭のカートゥーン芸も、懐かしかったぁ!

ずっと主役の喜多さん連投だったサンスケさんの、サブキャラを演じる時の伸び伸び楽しんでいらっしゃるお芝居を観れて、こちらも全力で楽しくなっちゃいました。サンスケさんの、主役を務める時の基盤を作る頼もしさにいつも魅せられていますが、脇役での華の添え方もステキなんです。

とはいえ、この日の牛頭馬頭は、登場シーンからすごいことになっていて、そんな理屈とかすっ飛ばして、腹筋が痛くなるぐらい笑いまくってしまったんですが😂 「牛頭たま」と、五年ぐらいの時を経ての天丼となった履き忘れ、あまりにも強かったです…!

この日の地獄のリサイタルは、サンザさん閻魔のメインボーカルに、トラザさん牛頭とサンスケさん馬頭のコーラスで、完成度が高過ぎでした。これを聴けただけで3500円案件再びです! 獄卒ズのツインギター、カッコ可愛かったなぁ。

 

この回の足ツボ地獄のコーナーは、閻魔王の椅子を(勝手に)使っての椅子取りゲームでした。卯頭の悪意篭りまくりの閻魔王モノマネ、酷過ぎて笑いました。卯頭くん、鬱憤が溜まりまくってるんですね…

それにしても、YAJIKITAが始まって以来、タロウさんの表情筋の柔らかさに、毎回驚かされています。顔型変わるぐらい口を歪めたお顔、元のフレッシュなイケメンっぷりを知っているだけに、腹筋の破壊力がすごい…っ

絶妙な面白さの卯頭のリングアナ?コールで始まったゲーム、倒れた椅子に無理矢理座った(?)牛頭の筋膜剥がしからの、弥次さんのセルフイメージとだいぶん乖離のあるカッコイイポーズに、笑いました。笑い死に地獄です🤣

 

サンエーさんの奪衣婆も、再々演では初登場でした。舌をベロベロしながら乳を振り回して追いかけて来る姿、何かの怪談になりそうです。お顔が美人なだけに、怖い。怖くて面白い。サンエーさんの吹っ切れたお芝居、ほんと、すごく凄いです。

久しぶりのサンエーさんの人頭幢は、イケメン過ぎました! ウィンクひとつで地獄亡者達のハートを全部撃ち抜いていました💘

閻魔王に叱られた時のキョドキョドした目の動サンエーさんの真骨頂だなぁと感動しました。一瞬での温度差の付け方、上手過ぎるんですよね。

そして、サンエーさんの人呑鬼! シュッとした体型が映えるビジュアル、強かったです…ドレッドヘアも似合っちゃうんですね。トラザさん人呑鬼とはまた違う獣っぽい人外味を感じる立ち回り、カッコ良かったです!

 

腹の虫の立ち回りは、ついつい推し腹の虫を目で追ってしまいがちなんですが、一匹後から出て来るタロウさん腹の虫の、滑り出し方、すごくカッコイイです。このバッチバチの中に加わって、目を引く魅せ方をできるのって、すごいことですよね……毎回書いてる気がしますが、研修生……???

 

弥次さんを殺されてしまったと思ってからの、喜多さんの自分の中にあるエネルギーを命ごと全部燃やして人呑鬼に掴み掛かって行く姿に、毎回、目頭がじゅん…としちゃうんですが、サンキュー喜多さんは、一際涙腺に来ますね…

サンキューさんの、等身大の人間というか、観客に自分と同じ世界を生きる存在として共感させるお芝居、実は、とてもすごいものなんですよね。自然体のまま引き込んで、同じ感情を味わせる…すごい役者さんだなぁ。

ダエさんの、元は大店の若旦那という経歴がしっかり見える台本に忠実な役作りもあいまって、本当に東海道中膝栗毛に出て来る話を読んでいるような気分になりました。この二人が、名コンビとして扱われる所以が、目に見える形ではっきり見えた気がします。

 

ラストシーンのサンザさんの地蔵菩薩は、本当に美しいですね。本物の後光が見えます✨

話を聞いていない弥次喜多に、「お伊勢さんではないんだな…」とちゃんとツッコミ入れるところ、とてもツボです。サンザさんのこういう可愛さ、ずるいなぁって思います。

 

小橋チョップが愛情表現?のヤジキタコンビの地獄道中に、いっぱい笑って感動して、浮世の憂さが綺麗さっぱり吹き飛びました!

今日も、本当に良いお芝居を観た! という充実感を毎公演味わわせてくれるナゴヤ座はすごい!

YAJIKITA2〜地獄道中閻魔戯之巻〜(2023.1.20昼)

【配役】

弥次さん→名古屋山三郎さん(サンザさん)

喜多さん→名古屋山之助さん(サンスケさん)

閻魔王→名古屋参十郎さん(ジューローさん)

奪衣婆、人頭幢、人呑鬼→名古屋虎三郎さん(トラザさん)

牛頭→名古屋参駄右衛門さん(ダエさん)

馬頭→名古屋参雀久さん(サンジャクさん)

懸衣翁、卯頭→名古屋参太郎さん(タロウさん)

 

今回の再々演では初のサンザさんの弥次さん! 講談師から弥次さんに変身!した瞬間、わぁぁと沸いちゃいました! ついに戻って来たー!

サンスケさんの喜多さんとの組み合わせ、オープニングのお伊勢さんの下りから、これだぁぁぁ!という懐かしさでいっぱいでした。

サンザさんは、今回、久しぶりに弥次さんを演るにあたって、台本をほとんど読まなくても台詞や動きがしっかり入っていたようで、身に染み込んだお役なんだなぁと嬉しくなりました。

 

そして、ナゴヤ座のグッズ(ぬーチこと、ひらがなの「ぬ」がプリントされているポーチ)の由来になった「なるみてまでいぬ」のやり取りを久しぶりに観ることができて、なんだか感動しました!

サンスケ喜多さんの「ぬ」=手間が掛かるけど好きだぜ、ぬ!です!

 

トラザさんの奪衣婆さん、舌ったらずな喋り方がかわいいなぁ。「うちのダーリンに何するっちゃぁぁ!」とベソかきながら掴み掛かって行くのかわいいなぁとニコニコ眺めていたら、乳感電クロスカウンター後の「最高の友だった」がどイケメンで、心臓跳ね上がりました。えっ、私、奪衣婆にときめいてるの? 嘘でしょ? でも、めちゃくちゃカッコイイ…! と混乱しました。推しのカッコ良さには、勝てません。

なんだか、バストがボリュームアップしてる…? と思ったら、乳ヌンチャク、長くなりました? トラザさんの乳捌きが更にダイナミックになっていました。巨乳をホレホレする奪衣婆ちゃん、セクシーキューティーでした😳

 

タロウさんの懸衣翁、囚われの奪衣婆ちゃんを見て、恥ずかしそうに目を逸らしながら、「ばあさん、なんで乳を結ばれとるんじゃ?」って尋ねるところ、ツボなんですよねー。演じているのがタロウさんだからか、奪衣婆ちゃんの方が年上の姉さん女房って感じがして、とても微笑ましい夫婦です。

 

この日は、サンジャクさんのデビュー日! ゲストの藤くんとしての馬頭は、前回の再演時にも観ましたが、座員になってから初のご出演だと思うと、なんだか感慨深かったです。

ダエさんの牛頭とサンジャクさんの馬頭の、演技力を無駄…いえ、贅沢使いした「泣いた赤鬼」、めちゃくちゃ笑いました。そして、うっかりちょっと感動しちゃいそうになりました。

 

サンジャクさんの馬頭は、ギャルでした。可愛い。「馬頭様と呼べ☆」(顔横ピース)、めちゃかわでした。

ダエさんの牛頭は、多分、賢いキャラで、「忸怩たる思い」とか「光陰矢の如し」とか難しい言葉を使っていました(金棒を奪われたことを「光陰矢の如し」と言っていて、「それは違うだろ」とサンザ弥次さんにツッコまれていたので、難しい言葉を使いたいだけの鬼かもしれません)。明らかに言葉の意味を理解しないまま、「忸怩ね、忸怩!」と元気に繰り返す馬頭くん、可愛かったです。

だけど、堅物(?)そうに見せかけて、日替わり足ツボ地獄チャレンジコーナーで、ヤジキタコンビにお題を出す時、「コンビニでカフェオレ注文するのを、牛頭、見たい」と言っていたので、やっぱり牛頭の方もギャルかもしれない。

 

タロウさん卯頭は、閻魔王に呼び付けられる度に息を切らせていて、めちゃくちゃこき使われてる感を出していたんですが、閻魔王が居なくなった途端、元気いっぱいになって、「なるべく用事を押し付けられないための疲れている演技」だったことが発覚するの、天才だぁって思いました。新人鬼の処世術だったー!

ジューローさん閻魔が、「アイツはそんなに働いてない」って言っていたのが真実だったんですね。だけど、誰にも信じてもらえない…上に立つ者の悲哀を感じました。

上に立つと言えば、

弥次「閻魔さん、そんなに怖くねーぞ。居酒屋のバイトリーダーみてーだな」

牛頭「バイトリーダーじゃない、主任だ」

閻魔「社長なの!」

ってやり取り、めちゃくちゃ笑いました。

 

この日の、馬頭とニンちゃんこと人頭幢は、とても仲良しでした!

ニンちゃんに「昨日のホルモン美味しかったね」と耳打ちする馬頭くんに、にっこり顔で応えるニンちゃん、可愛いが溢れて世界が平和になりました🕊(前夜のトラザさんとサンジャクさんの二人でモツ鍋食べてるよ配信からの流れなんでしょうが、地獄の「ホルモン」って、なんか、こう、臓物感強くて、よく考えたらちょっと怖いですね…)

その後、閻魔様の振りで「ホルモン美味しかったー?」と尋ねるお客さん亡者達の声に、ニコーッと笑顔を見せてくれたニンちゃんの可愛さで、地獄に春が訪れました。お花、咲いてた!

「次はわしも連れて行って」と言う閻魔王に、(え…?)という怪訝な目を向けるニンちゃんと、あからさまに顔を背ける馬頭くん、上司が一緒じゃ気を使うからちょっと…という気持ちは解りますが、ご飯仲間に入れてあげて😂 多分、終業後は、人の良い名古屋参十郎さんに変身してるから!

 

YAJIKITA2は、閻魔の腹の中に飲み込まれてからの立ち回りの見応えが最高にテンション上がります!

サンジャクさんの腹の虫、フード被ってるビジュアルが最高でした! サンジャクさんのフードの似合いっぷり、最強だと思います!

サンザ弥次さんの一対三の立ち回り、久しぶりに観ましたが、やっぱりカッコイイー!!!

 

そして……トラザさんの人呑鬼、はちゃめちゃにカッコイイことはもう解ってるから、大丈夫! と思っていたのに、登場した姿を見て、口から心臓が出ました。ドレッド風のウィッグ無しのお姿だったんですが、トラザさんのパーマヘアをウェットに仕上げたセットが大好きなので、ビジュアルだけで致命傷です!

しかも、先週拝見した時より更に立ち回りの迫力が研ぎ澄まされて…………最強でした。ありがとうございます。良い人生でした😇

 

ジューローさんの閻魔様は、元々人の良さが滲み出ていらっしゃってる分、地蔵菩薩様が閻魔顔で凄んでもいまいち閻魔王だと信じてもらえない感じが、じわじわ面白くて、つい笑ってしまいます。最後まで笑いの神が憑いてるの、さすがだなぁ。

あの場面で、地獄リサイタルの最後のフレーズ(牛頭馬頭が首を傾げてるの、好きです)を歌ったら、全力の「信じたー!」されるかもしれませんよね。そうなったら、腹筋が弾け飛ぶと思います😂

 

この日の地獄も最笑でした!